県民投票の結果は次の通りで、反対票の得票数は約43万4千票。得票率は約72%でした。
県民投票前に、結果を評価する目安として、3通りの数字が挙げられてました。
低いほうから、有権者数の4分の1にあたる28万9千票。これはクリアできるだろうと見られていました。
次に、昨年の知事選における玉城知事の得票数の39万7千票。政府はもとより、最高裁にまで「知事選の結果を民意とは言えない」と言われた沖縄県としては、なんとしてもクリアしたいところでした。
そして結果は約43万4千票で大幅クリア。欲を言えばキリがありませんが、県民投票は、まずまずの結果と言えるでしょう。
県民投票が終わり、その結果が明らかになると、自民・公明・維新の国会議員達(保守系市長も)が口を揃えて、次のように言い出しました。
「今回の反対票は全有権者に対する割合は37%に過ぎず、これを民意とは呼べない」
彼らの意を汲めば、一番上の57万8千票。つまり、全有権者の過半数を得票する必要があるってことなんでしょう。
37%を50%に引き上げるには、今回の投票率を前提とすれば、反対票の得票率96%が必要です。(72%×50%/37%)
いくらなんでもこれは無理。
一方、投票率が上がっても得票率(72%)が変わらないと仮定して、57万8千票を得るには、70%の投票率が必要です。(52%×57.8万票/43.4万票)
投票が済んだ後になって、随分高いハードルを言い出したものです。
もっとも、彼らは比例当選を2、3期続けてる議員ばかりで、党の方針に逆らうことは辞職を意味します。仮に彼らが「民意」と認めざるをえない結果であったとしても、彼らの行動には何ら影響しなかったでしょう。
ところで、前回の衆院選で保守系でただ一人、選挙区当選を果たした西銘恒三郎さん(自民:4区)は、県民投票運動に参加し、賛成票を投じるよう呼びかけてました。選挙区当選を果たすだけのことはあると、少し彼を見直したところです。
さて私は、海兵隊が沖縄に駐留する理由に納得できれば、過去の投稿を全て撤回して、埋め立て賛成に寝返る可能性があります(笑)
仮に、沖縄に海兵隊が必要と納得できれば、何故移転先が辺野古なのかも、併せて説明いただきたい。
つまり、沖縄県民がどんな理由で我慢を強いられているのか、それを納得したいということ。
これは基地面積を実感するための単なる例えですが、琵琶湖の2割ほどを埋め立てれば、普天間飛行場はもとより、北部演習場から、シュワブ、ハンセンから、瑞慶覧から、伊江島から、全ての在沖海兵隊基地を移設できます。
先の県知事選で、それを説明できない佐喜真陣営は、辺野古や普天間を一切口にしない方針で選挙戦に臨みました。そのため、携帯料金を下げるとか、わけのわからんことを言うしかなかったんです。
首相官邸が佐喜真陣営に指示したのは玉城候補へのネガティヴキャンペーン(ネトウヨ作戦)でした。自民や公明の国会議員、あるいはその秘書がデマを流し続けましたが、玉城候補にダメージを与えるどころか、次々にデマがばれ、県民から顰蹙を買いました。選挙戦の終盤で佐喜真陣営の幹部が「(ネトウヨ作戦は)もういいかげんにして欲しい」と嘆いたのは無理からぬことでした。
辺野古容認を鮮明に打ち出し、普天間の危険性除去の具体的方策を公約すれば、佐喜真候補に勝機があったかもしれないと私は思います。
論点ずらしもデマも通用しないことを学んだ保守陣営は、保守系市長に県民投票事務を拒否させ、県民投票を骨抜きにしようとしましたが、これに失敗。「どちらでもない」を加えることで、反対票の分散を図りましたが、これも結果的に不発。
県民投票の全県実施が決まった後は、西銘議員を除いて、全員寝てたんです。そのまま眠り続けるのかと思いきや、投票が終わったとたんに起きてきて、「これを民意とは呼べない」。
ほんま、寝言は寝て言えですわ。
宮城県知事が女川原発再稼働の是非を問う、県民投票の条例案を議会に提出するそうですね。結果に注目したいと思います。