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久米島の宇江城に堂井(ドーガー)と呼ばれている豊富な湧き水があります。その昔、久米の仙人が美女に化けて堂井に現れ、村の若者達に酒を振る舞ったとのこと。
1949年にその湧き水を使って、泡盛の酒造所を創業したのが島袋周昌氏でした。
かつて久米島には二つの村があり、島の東半分を占めていたのが仲里村でした。宇江城は仲里村に属していたので、酒造所は仲里酒造所と名付けられました。
仲里酒造所は1970年に法人化され、1993年に久米島の久米仙に社名変更されています。
ところで、ウチの相棒Aにとって宇江城は生まり島。十五の春に本島の高校に進学するまで仲里酒造所の「ちょっと下のほう」で暮らしたそうで、泡盛は久米島の久米仙しか飲みません。
なお、泡盛の酒造所別売上ランキングでは久米島の久米仙と残波の比嘉酒造が双璧です。
一方、こちらは私の自宅近くにある久米仙酒造。
久米島出身の平良正蔵氏が1952年に那覇で創業しました。
仲里酒造所に遅れること3年。その3年間、平良氏は仲里酒造所の泡盛を那覇で販売していたようです。
時系列で言えば、久米仙酒造が那覇の久米仙と名乗るべきだったかもしれませんが、仲里酒造所が久米島の久米仙と名乗ることになりました。
そのあたりの経緯は不明ですが、島袋周昌氏と平良正蔵氏のルーツが宇江城の堂井にあることは間違いなく、村の若者達に酒を振る舞った美女(久米の仙人)に自分を重ね合わせてたのだと思います。
仲里酒造所は久米仙の名前を久米仙酒造に譲りましたが、久米島の久米仙がブランドとして確立した今となっては、島の名前を入れたことで商品イメージが向上したような気がします。
那覇のスナックでは二つの久米仙を「くめくめ」、「なはくめ」と呼び分けることがありますが、一般的に久米仙と言えば久米島の久米仙ってことになりますね。