JUGEMテーマ:地域/ローカル
先日、月桃を撮った上間集落は自宅から近いこともあり、どこに何があるかを知ってるはずでした。ところが「東ヌカー」と呼ばれてる井戸を見落としてたんですよ
ほとんど枯れてる井戸ですが、知らないでは済まされないので(笑)、さっそく見てきました。
金網の奥は自然の洞窟になっていて、そこに湧き水が溜まっています。水量が豊富な頃はそこから水があふれ出し、手前のスペースには利用者が水に濡れないように、石畳が施されていたそうです。
上間集落は丘の上にありながら、湧き水が豊富です(でした)。琉球石灰岩の層と粘土層のバランスが絶妙で、雨水を逃さず地中に溜めることができたんです。それは自然の貯水槽。その構造は今も同じはずですが、宅地の造成や道路の舗装などにより、雨が地中に浸透できなくなりました。それでは水は湧きません。
こちらは今も健在の上間の村井戸。
全盛期には近隣の集落にも水を分けていた水量豊富な井戸です。井戸の左手に給水車が停まっていますね。水の用途は知りませんが、時々井戸から取水しています。
琉球王朝時代の水源は湧き水と雨水だけ。人口が少なかったとは言え、那覇の人々が必要とする水を、なんとか賄えていました。
ところが今や、那覇の水の自給率はほぼゼロで、水源はヤンバルのダムです。ヤンバルのダムって100kmも先ですよ。そこから延々と地中のパイプを水が流れて来るわけです。
皆さんご存知でしょうが、水は下から上には流れません(笑)。途中で圧力を加えつつ、西海岸のパイプは北谷浄水場まで、東海岸のパイプは西原浄水場まで水を運びます。そして旧那覇市内は北谷浄水場から、首里、真和志、小禄は西原浄水場から水の供給を受けてます。
こちらは上間の調整池。
西原浄水場からポンプで浄水を汲み上げて、巨大なタンクに溜め、真和志南部と小禄に水を供給しています。つまり、私の自宅や那覇空港の水道水はこのタンクの水です。
那覇には水源も浄水場もありません。だから、パイプが地中か海中かの違いはあれど、本島近隣の離島と立場は同じなんです。
那覇市民の多くは水道水を飲みません。ミネラルウォーターを買って、自宅のサーバーにセットしています。ヤンバルは米軍の訓練場ですから、何を撒き散らしているのか不気味なんですよ。だから、水道水の主な用途は洗濯や掃除、水撒き、洗車など。
地中に大きな自然の貯水槽がありながら、そこには水が溜まらない。仕方なくわざわざヤンバルから水を引いても、それは飲まない。
何をやってるのか、おかしな話になってますよねぇ。