今月21日。翁長知事がジュネーブの国連人権理事会でスピーチを行いました。
その全文がこちら。
ありがとうございます、議長。私は、日本の沖縄県の知事、翁長雄志です。私は世界中の皆さんに、辺野古への関心を持っていただきたいと思います。そこでは、沖縄の人々の自己決定権が、ないがしろにされています。
第2次大戦のあと、アメリカ軍は私たちの土地を力によって接収し、そして、沖縄にアメリカ軍基地を作りました。私たちが自ら望んで、土地を提供したことは一切ありません。
沖縄は、日本の国土の0.6%の面積しかありません。しかしながら、在日アメリカ軍専用施設の73.8%が、沖縄に存在しています。
70年間で、アメリカ軍基地に関連する多くの事件・事故、環境問題が沖縄では起こってきました。私たちは自己決定権や人権を、ないがしろにされています。
自国民の自由、平等、人権、民主主義すら守れない国が、どうして世界の国々とそれらの価値観を、共有することなどできるでしょうか。
今、日本政府は、美しい海を埋め立てて、辺野古に新しい基地を建設しようと強行しています。彼らは、昨年沖縄で行われた選挙で示された民意を、無視しているのです。私は、あらゆる手段、合法的な手段を使って、新しい基地の建設を止める覚悟です。
今日はこのようなスピーチの機会が頂けたことを感謝します。ありがとうございました。
県知事選以降の翁長知事の主張を2分間でまとめればこうなります。この主張が沖縄県民からの支持を得て、翁長知事が誕生したのです。
その国連人権理事会で、翁長知事へのカウンタースピーチを行ったのが我那覇真子さん。
その全文がこちら。
被差別少数琉球民族は存在しない
〜デマゴーグとプロパガンダは21世紀の国際社会には通用しない〜
昨日皆様は、沖縄は紛れもない日本の一部であるにも関わらず、「沖縄県民は日本政府及び米軍から抑圧される被差別少数民族である」とお聞きになられたと思います。
それは全くの見当違いです。
私は、沖縄生まれの沖縄育ちですが、日本の一部として私達は世界最高水準の人権と質の高い教育、福祉、医療、生活を享受しています。人権問題全般もそうですが、日本とその地域への安全保障に対する脅威である中国が、選挙で選ばれた公人やその支援者に「自分達は先住少数民族である」と述べさせ沖縄の独立運動を煽動しているのです。
我々沖縄県民は先住少数民族ではありません。
どうかプロパガンダ(政治宣伝)を信じないでください。
石垣市議会議員の砥板芳行氏からのメッセージです。「沖縄県の現知事は無責任にも日本とアジア太平洋地域の安全保障におけるアメリカ軍基地の役割を無視しています。翁長知事はこの状況を捻じ曲げて伝えています。中国が東シナ海と南シナ海でみせている深刻な挑戦行為を知事と国連の皆様が認識をすることが重要です。」
ありがとうございます。いったいどこがカウンターになっているのか、私には理解できませんが、そのように報じているのが八重山日報です。
知事の「国際発信」打ち消す 政府、県民が挟み撃ち
翁長雄志知事が21日、スイスの国連人権理事会で演説し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で「県民の人権が侵害されている」と訴えてから約18時間後。名護市民の我那覇真子さん(26)が22日、知事と同じ席から「県民は世界最高水準の人権を享受している」と真っ向から反論した。日本政府の代表も知事の発言を否定。沖縄の民意として反基地を国際発信するはずだった知事演説は、政府、沖縄県民の双方から「挟み撃ち」で打ち消された格好になり、信憑(ぴょう)性は大きく揺らいだ。
さて、我那覇さんのスピーチの冒頭部分です。
昨日皆様は、沖縄は紛れもない日本の一部であるにも関わらず、「沖縄県民は日本政府及び米軍から抑圧される被差別少数民族である」とお聞きになられたと思います。それは全くの見当違いです。「お聞きになられた」ってあなた。翁長知事はそんなこと言ってないじゃん(笑)。
私は、沖縄生まれの沖縄育ちですが、日本の一部として私達は世界最高水準の人権と質の高い教育、福祉、医療、生活を享受しています。その通りです。教育、福祉、医療、生活に関する日本の行政サービスは、充分とは言えないまでも、世界の最高水準にあることは間違い無いでしょう。
だけど、翁長知事はそれらの分野で差別があるとは言ってませんよ。
もう面倒なので、途中でやめますが、彼女のスピーチは、自作自演をやってるに過ぎず、カウンターになっていません。
それを八重山日報は、
「県民は世界最高水準の人権を享受している」と真っ向から反論した。としています。
真っ向から反論してませんってばよ〜(笑)。
我那覇さんのスピーチは、カウンタースピーチの体をなしておらず、ヘイトスピーチの一種と言えます。
彼女は保守系のマドンナと位置付けられているようです。沖縄県内では、それなりに名前が売れていますが、政治家でもなく、非営利組織のリーダーでもない。つまり、社会的な責任の無い人です。
彼女はスピーチで、
中国が、選挙で選ばれた公人やその支援者に「自分達は先住少数民族である」と述べさせ沖縄の独立運動を煽動しているのです。と述べています。
いやぁ、初耳ですね。是非そのニュースソースを知りたいものです。
何らの社会的責任を負わない我那覇さんが、自力で国連スピーチの機会を獲得したとは思えません。それよりも、ジュネーブまでの旅費をどう工面したのかと心配です。
それはやはりパトロンがいて、彼女の言葉を借りれば、彼女を煽動しているのでしょう。
そしてその煽動に、保守系メディアの八重山日報がエールを送る。
まっ、そんなシナリオです。
我那覇さんは、沖縄が差別を受けているとは思ってないようですが、本当に思ってないのでしょうか。それとも差別は認めているが、立場上、そうは言えないのでしょうか。
前者ならば彼女が哀れですし、後者ならば尚更哀れと言うほかありません。