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暦の上では来週月曜日が立秋。連日の猛暑に茹で上がってる身としては「馬鹿を言うなよぉ」って感じです。
もちろん二十四節気には味わい深い意味があるのですが、もう少し現代の季節感に合う言葉を選ぼうと2013年に気象庁が募集し、選定した言葉が「季節のことば36選」。
例えば7月は蝉しぐれ、入道雲、夏休み、ひまわり。8月は原爆忌、流れ星、朝顔。
なるほどぉ。これは分かりやすいです。
その中で特筆すべきは3月の言葉に選ばれた「なごり雪」。
言うまでもなく、1974年に伊勢正三(当時23歳)が生んだ名曲です。
なごり雪も降るときを知り
ふざけすぎた季節のあとで
今、春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった
かぐや姫のメンバーやスタッフは、初めてこの曲を聴き終えた時、その瞬間に、大ヒットを確信したそうです。伊勢正三やかぐや姫の世界観を壊してはいけないと、当初、イルカは辞退したそうですが、試しに歌ってみればこれがまた最高。「なごり雪」は大ヒットし、40年経った今でも歌い継がれています。
それでも発表当初は色々言う人がいたそうで、日本語に「なごり雪」などという言葉は無いので、どうしても使いたいのなら「名残の雪」にしなさいと。
伊勢正三にしてみれば、この言葉こそが作品の命。そこを曲げる訳にはいきませんでした。
とは言え、彼にも日本語を乱した意識はあり、そのことがずっと気になっていたそうです。それが季節のことば36選に選ばれたことで、やっとつっかえていたものが取れたと。
いやぁ、嬉しかったでしょうね。3月の言葉はひなまつり、おぼろ月、なごり雪。
私は日本語の用法については保守的ですが、この話については「良かったなぁ」と言うほかありません。ダブスタと言われればその通りですが、伊勢正三渾身の言葉ですからね。良かったじゃないですか。ねぇ(笑)