JUGEMテーマ:地域/ローカル
那覇市歴史博物館のサイトに掲載されている「ヒージャーガー」。場所は那覇市樋川(ひがわ)となってます。
地名の樋川は城岳東側斜面の原名(樋川原)に由来しますが、その原名の由来となった井戸はどこにあったんでしょう。
私はこれまで、裁判所通りの王(汪)樋川だと思っていました。
ところが、こんな立派な井戸があったのなら、原名の由来はこの「ヒージャーガー」かもしれません。
少し調べれば井戸があった場所はわかるでしょうが、わかればそこに行くでしょうし、行けばがっかりするので、まあ、どこでもいいです(笑)
こうした井戸が那覇の各地に残されていたら、それだけで街の景観にグッと風格がでてくるのに、樋川の「ヒージャーガー」は影も形もありません。
沖縄では、樋(とひ)を使って水を汲みやすくした井戸を樋川(ヒージャー)と呼びます。ヒージャーガーでは樋川川になってしまうじゃないかとご心配のムキもありましょうが、ヒージャーガーと呼んだほうがおさまりが良いし、風格を感じさせますね。だから問題ありません(笑)
話は変わりまして、こちらは沖縄を代表する井戸。南城市玉城の垣花樋川(カキノハナヒージャー)です。
1985年のこと。環境庁がこの井戸を沖縄初の「名水百選」に選定しました。
そしたら垣花集落の人達が、
「わったーやんかしぇー(昔から)、ワナガーんでぃ、いいちょーたんどー」
と(笑)
それで、(勝手に)垣花樋川と名付けたのは誰やねんって話になりました。
環境庁「自治体が申請した名称です」
玉城村「地区の役員からそう聞きました」
垣花地区長「今回初めて聞きました。垣花ではワナガー、もしくはシチャンカーと呼んでます」
さて、「アワワ」となったのは誰でしょうか?(笑)
垣花樋川の名称について、垣花集落の人達は、
「樋(とひ)を使っているからヒージャーと呼んでおかしくは無いし、井戸を訪ねる人にとっては垣花の名前が付いてるほうがわかりやすいだろう」
と大人の対応をしました。
しかし、「垣花の子供達にはそうは呼ばせないよ」と。
ハッハ〜ッ!!。まったくごもっともでございます。
さて、「アワワ」となった人達は井戸の脇にこんな案内板を建てました。
「垣花樋川(俗称 シチャンカー)」
由緒ある井戸の名前を俗称にしちゃったのね(笑)
とは言うものの、私は過去に何度も沖縄各地の井戸について投稿しておきながら、この視点は抜けてました。だから、偉そうには言えません。
集落の中心にある井戸はムラガー、ヒージャーガーなどと呼ばれ、東西に2ヶ所あればアガリヌカーとイリヌカー。
考えてみれば(考えるまでもなく)、井戸に集落名は不要で、垣花集落の人達が集落の井戸を「垣花樋川」と呼ぶはずが無いのでした。