JUGEMテーマ:地域/ローカル
芹澤健介さんの新著「コンビニ外国人」(新潮新書)を読みました。
コンビニで働く若い外国人の姿は、すっかり見慣れた風景となりました。彼らは何のために日本に来て、どんな生活をし、どんな将来を描いているのか。
前々から、私の身近にいる丸大スーパーのハサノフ君(ウズベキスタン)や金城商事のシモン君(ネパール)達に、そのあたりをゆっくり聞いてみたいと思っていたところでした。
この本を読むまで、彼らに対する私の認識は、貧しい国に生まれて、日本に出稼ぎし、低賃金(彼らにとっては高賃金)で働き、中には不法就労者が混ざってるだろうなというもの。
私には、戦後の高度成長以降の日本を先進国とみなし、アジアの国々を見下す意識がありました。コンビニで働く外国人達には色々と苦労があるだろうから「すこし優しくしてあげないとな」という意識もありました。
いやぁ、浅い。浅かったわぁ(笑)
この本を読んで、私が物事を一面だけから、しかも先入観を持って見ていたことを思い知らされました。
「コンビニ外国人」を読み終わった今。私は日本の行く末が心配でなりません。私の娘や、その子や孫の時代に、日本はアジアの平凡な島国になっているかもしれません。
何故、日本の行く末が心配になるのかについては、本書を読んでいただくほかなく、是非、書店や通販でお買い求め下さい(笑)
芹澤さんは前著「血と水の一滴」と同様に広範囲な取材をされたようです。まず自分の主張があり、それを裏付ける情報だけを集めようとする作家が普通にいますが、芹澤さんの立ち位置はその対極と言えるでしょう。それはもう取材の鬼。
良い話も悪い話も偏りなく広範囲に取材し、それを積み上げるのが「芹澤スタイル」。そして、読者に対して何かを強く主張するのではなく「取材した内容はすべて提供しましたよ」という姿勢。「で、貴方の意見は?」と芹澤さんの声が聞こえるようです。
近々、芹澤さんと再会する機会がありそうですが、「で、どう?」と問われても、私にはマトモなことを答える自信がありませんけど。
まいったな(笑)