伊平屋渡立つ波押し添へて(1)上り口説

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    伊是名島の投稿にへそまがりさんからコメントをいただき、教わった言葉が伊平屋渡(イヒャド)。

     

    沖縄本島と伊平屋・伊是名の間を流れる黒潮による荒れた海域を表すこの言葉が、私のツボにはまってます。

     

    本部から眺める伊平屋・伊是名。この微妙かつ絶妙な距離感が伊平屋渡。説明はできませんが、私としてはこれはもう伊平屋渡と呼ぶほかありません(笑)

     

     

    今日の投稿のタイトル「伊平屋渡立つ波押し添へて」は琉球古典「上り口説(ヌブイクドゥチ)」の一節。琉球王府の役人が薩摩へ上る行程を唄ったものです。

     

    伊平屋渡立つ波押し添へて

    道の島々見渡せば

    七島渡中も灘安く

     

    伊平屋渡の波に押されながら(奄美の)島々を見渡して行けば、(トカラの)航海は難しくない

     

    実際は厳しい航海だったはずですが、薩摩の在番奉行を歓待する唄(踊り)だから、楽しそうにしないとね(^^)。歌詞も琉歌ではなく、和風の七五調(「われは海の子」など)。当然に「下り口説(クダイクドゥチ)」もあります。

     

    「伊平屋渡立つ波押し添へて」は7番(2分35秒あたり)

     

     

     

    随分前に読んだ野元尚巳著「黒潮街道を行く」は、沖縄本島から鹿児島までのカヤック旅行記。

     

     

    島と島との間を黒潮が流れていると、当然、まっすぐには進めません。流される距離を想定して漕ぎ出す方向を計算しますが、潮の流れに負けてしまうと、次の島に到達できず漂流してしまいます。

     

    漕いでも漕いでもジリジリと遠ざかる島影。携帯の電波が届くうちに海上保安庁に救助を求めるのか、最後の力を振り絞って漕ぎ続けるのか。

     

    いやぁ、黒潮って怖いと思いました。

     

    野元さんが宜野湾を出発したのは6月梅雨開けの頃でした。この時期の沖縄は強い南風、夏至南風(カーチベー)が吹きます。

     

    野元さんはそれを知っていて、出発のタイミングを決めてます。当然、伊平屋渡の知識もあったはず。その様子が文中にあったかどうか。う〜ん、覚えてない(^^)

     

    (続く)


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