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芹澤健介著「血と水の一滴」読了

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    JUGEMテーマ:地域/ローカル

    昨日、著者の芹澤さんから送っていただいた「血と水の一滴」。読了しました。


    医大を卒業したばかりの主人公(森本義丈)が軍医として沖縄に出征したのは、昭和19年8月のことでした。

    同年10月10日の那覇大空襲を経て、翌年4月1日の米軍沖縄本島上陸。そして、6月23日の沖縄戦終結。

    約10ヶ月の間、青年軍医は沖縄で何を考え、何を為したのか。


    死の直前、彼はこのような言葉を残しました。

    僕は沖縄にきていったい何を残せたのか。

    人を助けることができただろうか。

    部下は半分以下に減り、負傷者の手當も満足にできていない。

    (略)

    多くの若者が守ろうとした日本とは、いったいなんなのだろう。

    そんなふうには思いたくない。

    五十年後、百年後、この島はまだあるだろうか。

    美しい海と空を取り戻しているだろうか。

    願いが叶うならば平和な時代にこの島にきたかった。



    また、この物語で存在感を示したウチナーンチュは、二十歳の西銘淑子でした。

    みんな白い骨になるのだ。

    いつかこの沖縄の島は、白い骨で埋まって、十年経ち、百年経って、骨はいつしか砂粒のようになり、白い道や白い砂浜になる。

    そして海から流れ着いた種が芽吹いて、花を咲かせて、その間を蝶が飛び、鳥が歌うようなきれいな島になる。

    私たちは土になるのだ。大地になるのだ。

    私たちの身体が島を作るのだ。

    涙が頬を伝った。



    那覇市上間は、識名台地の南端に位置する集落です。東西と南側が、いずれも急斜面になっているため、幹線道路が通ることがなく、今でも、昔のたたずまいが残っています。

    集落の中央には井戸と小堀があります。

    20130106210736_0.jpg

    かつて私が写真を撮った、まさにこの場所がこの物語の舞台でした。

    私の住む国場から近く、何度も散歩した集落です。芹澤さんが描写したさまざまなシーンを、私はリアルにイメージすることができました。


    「ありったけの地獄をかき集めた」と称された沖縄戦。その戦いのさなかに、義丈や淑子が想った50年後、100年後の沖縄。

    今、その時が来て、私たちは沖縄で暮らしています。

    「戦争このかた私たちは、あらゆる戦争を憎み、平和な島を建設せねばと思いつづけてきました。これが、あまりにも大きすぎた代償を払って得た、ゆずることのできない私たちの信条なのです。」

    摩文仁の平和祈念資料館に記されたこの言葉。芹澤さんの作品は、改めて、この言葉の意味を私たちに問いかけています。


    来週月曜日。6月23日は慰霊の日。

    69年前の沖縄を想い、今の沖縄を想う日にしたいものです。


    コメント
    美しい海と空を取り戻しているだろうか。
    願いが叶うならば平和な時代にこの島にきたかった。グサリと胸に突き刺さる言葉ですね平和も自然も全て取り戻しましたご安心下さいとご報告出来ないのが心苦しいです。私もこの本読んでみます。
    • Hiko
    • 2014/06/20 12:14 PM
    HIKOさん

    是非、読んで下さいね。

    摩文仁の平和の礎には、森本義丈の名が刻印されているそうです。HIKOさんのコメントも併せて、近々、報告に行ってきますね。

    • coralway
    • 2014/06/20 2:07 PM
    はじめまして 「血と水の一滴」買いました。写真の井戸と池は、私が小学生の時の遊び場の一つでした。読む前からそこでどんな出来事があったのかドキドキしています。
    • 小枝
    • 2014/06/24 12:03 AM
    小枝さん

    コメントありがとうございます。できれば、感想を聞かせていただければ嬉しいです。

    発売直後なので、私の周囲には読んだ人がいないんです(笑)。
    • coralway
    • 2014/06/24 12:17 AM
    お世話になってます。摩文仁の平和の礎では、森本義丈さんの名前は京都の列にあります。
    • 芹澤健介
    • 2014/07/08 3:50 PM
    芹澤さん

    確かに出身県を知らないと見つけにくいですよね。

    ありがとうございます。

    • coralway
    • 2014/07/08 4:12 PM
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