JUGEMテーマ:地域/ローカル
南城市の糸数集落に来ています。
古くからの集落に必ずいるのがこいつ。
昔、糸数集落に住む男性が、フーチゲーシの村獅子四体を彫り、集落の各入口に配置しました。
こいつはそのうちの一体で、集落の南口に立っています。
昔はキリッとした男前でしたが、寄る年波には勝てず、体型もメタボです。
私は集落を散歩する際に、そこの村獅子に「はい、ちょっとお邪魔しますよ。」と挨拶する意識があります。
ところが最近、少し気に入らないことがあります。どの集落も口を揃えて村獅子に救われたと言うが、それはホンマかいなということ。
火事が多かったのがピタッとやんだとか、疫病が流行ってたのに全員が治癒したとかですね。
糸数集落の場合は、赤ん坊の死亡率が高かったところ、獅子のおかげで、みんな元気に育つようになったと。
これが、ど〜も嘘くさい。
私は、何十ヶ所も村獅子を訪ね歩いているのですから、たまには、
「干ばつが何年も続くので村獅子を彫ったけど、ちっとも雨は降りませんでした。この役立たずっ!!」
みたいな獅子が、いても良さそうなものです。
集落の伝承は、その集落にとって良い話になりがちです。役所の文化財課の皆さんは、それを鵜呑みにせず、獅子が彫られた時代背景を、きちんと調べて欲しいものです。
さて、村獅子に挨拶が終わりましたので、井戸に向かいましょう。