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昨日が千秋楽の大相撲秋場所は、横綱鶴竜が優勝しました。
今場所は他の横綱二人が休場し、優勝を狙うには絶好のチャンスでした。
若い大関照ノ富士が先行し、鶴竜が追う展開で迎えた14日目。実力者の大関稀勢の里との対戦で、鶴竜は立ち合いで左に変化し、その取組に勝ちました。
鶴竜は「横綱に昇進して9場所も経つのに、その間、自分は一度も優勝していない。優勝には、どうしても今日の白星が欲しい。」と考えていました。
そんな横綱の心情を、場内のお客さんも、テレビの前の相撲ファンも、みんながわかっていました。その上で、横綱がどんな相撲をとるかを、じっと見ていたのです。
横綱の変化に、場内は騒然となり、不満の声が上がりました。当然ですね。横綱の戦術としては下の下。最悪の相撲です。
まあ、そこを百歩も二百歩も譲れば、ルール違反ではありませんし、どんな手を使ってでも勝ちたかった心情も理解できます。
しかし、鶴竜が場所後のインタビューに答えたこのコメントはいただけません。
「心を無にして、気にせず行こうと思った。1つ言えるのは、僕は人に認められたくて相撲を取っていない。自分の相撲人生を生きています」
これはね。社会人になったばかりで、何も考えずに仕事だけをやってれば良い、お兄ちゃんのセリフです。
それが、管理職になり、役員になり、社長になると、つまり、社会的な責任が重くなればなるほど、思った通りの事を口にできなくなるのです。
本心とは違っていても、理屈に合わないことであっても、その人の立場が言わせるコメントがあるのですよ。
横綱の立場であれば、
「他の横綱が不在の中、優勝することが私の責任だと考えた。批判は甘んじてお受けする。」
くらいのことは言わないと。
先ほどのコメントは、お家に帰って、奥さんに言いなさい。
こんな事を言ってるようでは、この横綱は、向こう9場所も優勝できないでしょう。断言してもいい。
しかしねぇ。鶴竜はまだ30歳。そんなお兄ちゃんに、横綱としての責任だの、品格だのを求めるほうが無理なんでしょうね。そもそもだけど。