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西原町の内間御殿

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    第二尚氏王統の始祖である尚円王(1415-1476)は、第一尚氏王統の尚泰久王(1415-1460)に仕えた王府高官でした。即位前の名は金丸。

    尚泰久王からの信頼が厚く、金丸は順調に出世しましたが、尚泰久王の次に即位した尚徳王(1441-1469)とは、まったくウマが合わなかったようです。

    やる気を失った金丸は、1468年(53歳の時)に、西原間切の内間に隠遁してしまいます。

    ところが、その翌年に尚徳王が28歳の若さで急死したのです。尚徳王には世継ぎがいましたが、王府には金丸を王位に推す声が強く、それで金丸が、

    「一度は隠遁した身だし、尚家の血筋でもないが、そこまで言われたらしゃあないわな。」

    と言って、尚円王になりました。

    「いや〜、さぞかし人望があったんでしょうなぁ、金丸は。」

    ってことになっていますが、とてもそうは思えませんよね。

    そもそも、隠遁した翌年に28歳の王が死ぬか?ってこと。これは金丸によるクーデターだったと考えるのが自然です。


    前置きが長くなりましたが、金丸が内間領主として暮らし、後に隠遁した屋敷跡が西原町嘉手苅に残っています。

    クーデターによるものであっても、王は王。第二尚氏王統は400年以上も続き、沖縄の重要な一時代を形成したことは間違いありません。

    琉球王府では、時が経つにつれ尚円王を神格化する動きが出てきました。そして、尚円王(金丸)の没後190年を経て、琉球王府は金丸の屋敷跡を神殿とみなし、内間御殿(ウチマウドゥン)として整備したのです。

    ですから、内間御殿は金丸の住居跡ではあるけれど、今は琉球王朝の聖地。私達は、首里城や識名園ではなく、斎場御嶽を訪れるつもりで程よいと思います。


    内間御殿を形成する東江御殿(アガリーウドゥン)と、



    西江御殿(イリーウドゥン)



    フクギを中心とした植栽も、敷地を取り囲む石塀も、神殿として整備されたもので、金丸が暮らしていた時代のものではありません。

    東江御殿の建屋と、



    西江御殿の建屋は、神殿の拝所です。



    建屋を貧弱だと思われるかもしれませんが、これは御嶽の拝所と同じですから、豪華にすれば良いというものではありません。斎場御嶽の岩の前に置かれた香炉を貧弱だと思う人はいないでしょう。


    敷地内のフクギや石塀が、神聖な雰囲気を形成しています。予想以上に気持ちが良い空間です。





    石塀の痛みが目立ちますが、修復が進んでいるようですから、数年後にはきちんとしたものになるでしょう。




    聖地に余計なものは必要ありません。植栽と石塀、そして拝所があれば充分で、できる限り元のままの空間を維持していただきたい。

    その点で、以下の事柄に苦言を少々。

    (1)御殿入口にあるコンクリート製の鳥居は似合いません。

    (2)案内板が目立ち過ぎです。





    (3)西原町は勝手にフクギを伐採しないように。(琉球新報の記事はこちらから

    どうも一部に勘違いしてる人がいるんですよね。


    今日は金丸で昨日はペリー。年代がまったく違います。それが、関係無いようで少し関係してる話を明日(笑)。


    コメント
    金丸がクーデターを起こしたというのは、今では定説になってますよね。
     因みに、護佐丸阿麻和利の乱も金丸の企みだったんじゃないかと勝手に想像してます(笑)

     勝連城の考古学調査でも大きな戦の跡が無いそうで、正史通りでは無い疑いが高いとされてますよね。

     具体的な部分は諸説あり、自分は百十踏揚という小説を読んで想像したり、歴史書を読んであれこれ考えたりして楽しんでます。

     ところで、「ほんとうの琉球の歴史」という渡久地さんという自称神人という方が書いた、毛色の違う本があり、古本屋で見つけて読んでみたのですが、なんと百十踏揚や阿麻和利と直接会話するというなんとも羨ましい(ある意味ズルい)方法で歴史を書いています。
     読んだことありますか?少し宗教チックというか、学問としての説得力は無い本ですが、著者は歴史には詳しいようで、案外面白いので、良ければお貸ししますよ(笑)
     といいますか、歴史に詳しい方にはどう映るのか興味があるというのが率直な気持ちです。
    • ahaha
    • 2015/12/01 8:38 PM
    自称神人の本は読んでいませんが知ってます。3年くらい前に、ジュンク堂那覇のトップ3に入ってました。

    また、その本を読んだ何人かの人から、面白い本と聞いてます。

    ところが私は、「ほんとうの・・」とか、「誰も知らない・・」とか、そんなタイトルの本は、どうも気が進みません。m(__)m
    • coralway
    • 2015/12/01 10:17 PM
    やっぱり、タイトルには引っ掛かる気がしました。
     最近、そんなタイトルの本がよくありますし、それらの多くの内容は、結局大袈裟で、冷静さを感じられないものであることが多い気がして自分も手に取る気にはあまりなりません。
     読むか読まないかは、もちろん自由ですが、よくある「ほんとうの〜」シリーズみたいにイライラするようなものでは無い(多分(笑))ので、タイトルだけで分類してしまうのは、勿体ない気もしてしまいます・・・。

     自分の中では、「ほんとうの〜」とか「誰も知らない〜」というタイプの本は、多くが支離滅裂で内容がほとんど無かったり、読後に得るものが全く感じられなかったり、タイトルと裏腹に現実味が全くない内容だったり、何よりタイトルの上から目線感が好きではないので、そういう本だと思ったら、自伝のような内容だったので、著者の経験?を追体験する内容でおもしろかったということです。
     でも、管理人さんをイライラさせたら大変なので、このコメントで無理に読んだりはしないでください(笑)
    • ahaha
    • 2015/12/02 7:13 PM
    色々とお気遣いいただいて、ありがとうございます(笑)

    結局、「ほんとうの〜」や「誰も知らない〜」みたいな本は、私の中では娯楽本。歴史や政治の本とは思っていません。

    したがって、読まない理由も無いし、読む理由も無い。まあ、それを読むなら、他に読むべき本があるだろうってことなんです。
    • coralway
    • 2015/12/03 2:04 PM
    そんな神聖な場所と知らずに、夜の内間御殿にズカズカと立ち入っていて、恥ずかしいやら情けないやら。(-_-;)

    サガリバナが咲く有名な場所と聞いて、懐中電灯とカメラを持ったオッサンが真っ暗ななかで花を探してブラブラしてるわけですから、傍目から見てもアヤシイでしょうね。

    今度は明るい時に行って、歴史を感じながらじっくり見たいと思います。

    Googleストリートビューでみると、以前の案内板ですね。私が見たのもコレ。
    老朽化してたとはいえ、立派にし過ぎるのもどうかと思いますね。

    • しもちゃん
    • 2015/12/04 11:14 AM
    そうなのよ。案内板を見ればただの観光地。懐中電灯のオッサンが来ても不思議は無い。首里城やないんやから(笑)

    那覇市が市内の史跡に使ってる案内。あんな感じでいいと思います。

    あのサガリバナ。樹齢400年ってよ。凄いねぇ。

    • coralway
    • 2015/12/04 11:29 AM
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