JUGEMテーマ:地域/ローカル
西原町幸地の児童公園にサーター車がありました。
こんな要領でサトウキビを搾ります。
牛が真ん中の車を回すと、左右の車が連動して回るので、そこへサトウキビを突っ込むのです。
従来は二つの車で絞っていたところ、三つにして両側からサトウキビを突っ込めば生産量が2倍になると、誰かが気付いたんですね。
それはたいへん結構なのですが、それまで普通に歩いていた牛が、以降、首を上下に揺らしながら歩くようになり「余計なことに気付きやがって」と呟いたそうです(笑)。
この製法は、儀間真常(1557-1644)が中国から導入したと伝えられています。
それまでは、細かく刻んだサトウキビを臼と杵で潰し、布で包んで搾っていましたから、砂糖の生産量は飛躍的に増えました。
儀間真常の生没年を見ると、薩摩藩による琉球侵攻(1609年)を思い浮かべます。
砂糖で利益を上げていた琉球王国に目をつけた薩摩藩が侵攻し、その後、砂糖の生産量を向上させるための製法を中国から導入したと。大雑把にはそんな順序です。
さて、こちらは豊見城市長堂の翔南製糖。
この煙突は私の自宅から見えてます。
「さとうきびは沖縄の宝もの」
まったくその通りなんですが、この工場は来年夏に閉鎖の予定です。
今年の9月。翔南製糖はうるま市の球陽製糖と合併し、工場はうるま市に統合されることになりました。とうとう、沖縄本島の製糖工場は1ヶ所になります。
もちろん、両社の合併により、生産性は向上し、コストを削減できるのでしょうが、沖縄の製糖業の競争力は、それでどうなるって水準ではないのです。
これから、いったいどうなるんでしょう。
サトウキビ畑の無い島の風景を、だれも想像できませんよねぇ。