JUGEMテーマ:地域/ローカル
読者のへそまがりさんに教えてもらって、南風原文化センターの写真展へ行ってきました。
写真展のタイトルは南風原町「あの日あの時」
戦前戦後のスナップ写真集を南風原町が出版したそうで、そこに収録された写真の展示です。南風原町各字の公民館や一般家庭に提供を呼びかけたように見え、私の知らない写真ばかりでした。
私は沖縄の集落を歩き、集落の方位や周辺の地形を観察し、石畳道や井戸、村獅子、御嶽などを訪ねることを趣味としています。それは、昔の沖縄を訪ねる散歩です。
今は枯れてしまった井戸に立ち、その井戸が現役だった頃の賑わいを想像してみます。後にその井戸の古い写真を見つけたりすると、想像通りであろうが無かろうが、それはもう、嬉しくて嬉しくて(笑)
そのあたりを理解いただいているへそまがりさんが写真展に来られ「こりゃあ、Cが喜びそうだ」と考え、知らせて下さったということ。ありがとうございます。
かつて、南風原町の喜屋武集落にワイトゥイ(切り通し)がありましたが、新しい道路が開通し(南風原文化センターの前の道路)、今は影も形もありません。
先日、私はその付近をウロウロし、黄金森の稜線や昔の道筋などから、ワイトゥイをなんとか想像してみました。
この日の写真展では、例えば、そのワイトゥイの写真が、突然、目の前に現れたりするので堪りません。思わず「へぇ〜」と声が出ました。嬉しいわぁ〜(笑)
ところで、そもそもな話ですが、このような写真展に来る人は、昔の南風原を知ってる人ですよね。昔の記憶と写真を照合したり、失われていた記憶が写真によって蘇ったり、それが楽しいはず。
ですから、南風原に住んだことのないナイチャーの私が、昔の南風原の写真を見て、それがどうなのかって話です。普通はね。
ところがですね。分かるんですよ、ワタクシ。初めて見る写真なのに、一枚一枚の写真が何処で撮られたものなのか、かなりの確率で分かります。
かくしてこの写真展で、私の脳内にある「昔沖縄(ンカシウチナー)」の南風原地区は大幅に更新されたのでした。
印象に残った写真を一枚紹介します。玉那覇ノロ(1992年)。
現在の津嘉山集落は三つの村が合併したもので、それ以前にあった玉那覇村のノロです。
これまで見たノロの写真は、近寄りがたい緊張感がありましたが、玉那覇ノロの表情が穏やかなこと。曾孫を抱いていても似合いそうです。
考えてみれば、祭祀の場を離れれば、ノロも普通のオバぁなんだなぁと、当然のことに気づいたのでした。
いやぁ、楽しかった。