JUGEMテーマ:地域/ローカル
「五つ星ちゅら美ら」の公演から一夜が明けた金曜日の朝。私は朝一で、佐辺昆布店に向かいました。
母「あっ、Cさん。ど、どうだった?」
C「良和が急に休んじゃったけど、公演は無事に終わったの?ってことよね」
母「そうそう。昨日からず〜っと心配だったのよ」
C「そりゃあ良和君のファンは残念だっただろうけど、皆んな楽しんで帰ったと思うよ。ブーブー言ってる人も見なかったし」
母「そうなの?。はぁ〜、良かった」
C「あれは毛遊びだからね。来るはずの人が来なくても、毛遊びは楽しく終わるってことよ」
母「あら、貴方上手いこと言うわね」
C「知花さんも川満さんも、朝から大変だったと思うけど、そこはプロだから。昨夜のメンバーに集まってもらって、段取り無しで『さあ、やって』でも楽しくなると思うわ」
母「ありがとう。やっと安心したわよ」
その頃、佐辺良和、知花小百合、川満香多の三人は、それぞれ次の仕事へ向かっていてました。
知花さんは、金曜日の夜から沖縄で「沖縄(ウチナー)燦燦(さんさん)」の三夜連続公演が始まりました。世界三大演劇祭の一つ、アビニョン演劇祭に参加し、地元紙から四つ星の評価を受けた作品です。
そして、良和君と川満さんは横浜能楽堂へ向かっていました。
横浜能楽堂と沖縄伝統組踊保存会の提携公演「能の五番 朝薫の五番」
五年連続公演の今年が三年目。能楽、組踊ともに人間国宝が出演する公演が土曜日、つまり今日、開催されます。
組踊の演目は「孝行の巻」。沖縄芸術を背負った舞台ですから、二人とも頑張って欲しい。そして、病みあがりの息子にまたもや心配が尽きないのが、佐辺のお母さんなのでした。
最後に、「五つ星ちゅら美ら」の公演で気付きを一つ。
良和君の欠場は、開演前の場内でアナウンスされ、川満さんも舞台で頭を下げてました。
その日のチケットは、テンブス那覇木曜芸能公演のチケットで、年内の木曜日、どの公演でも使えるものです。「佐辺良和が出演しないなら、別の公演に使う」ってことができるのです。
ところが、会場の受付けには、そのことを知らせる張り紙などが無かったのです。観客の大半は開演直前で、初めて良和君の欠場を知りました。
良和君の熱心なファンなら、受付けで引き返すことがあったのではと思います。沖縄で開催される各種の催しは、この種の配慮が欠ける印象があります。出演者の実力はどんどん上がっているのに、運営する側がそんなことでは困りますよね。
(終わり)