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現代版組踊「肝高の阿麻和利」が心に響く理由

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    JUGEMテーマ:地域/ローカル 

     

    うるま市の小学生から高校生までが演じる現代版組踊「肝高の阿麻和利」。2009年にユネスコ未来遺産運動に登録されました。


     

    私はこれを観るために何度か勝連に足を運び、そのたびに必ず泣かされてます。子供に泣かされてしまうオヤジも「なんだかなぁ」と思いますが、次に観てもきっとまた泣くでしょう(笑)。

     

     

    ネーミングは現代版組踊ですが、これはつまりミュージカル。その完成度は高く、2,800円の料金(S席)を私は高いと思ったことがありません。

     

     

     沖縄本島中部の与勝半島にある勝連は、簡単に言ってしまうと田舎です。(決して都会とは言えない)具志川あたりの人達は半島の人達をヨカチャー(与勝人)と呼び、差別とは言わないまでも軽く見る意識がある(あった)ようです。

     

    「ヨカチャーはアップルパイを知らないのでリンゴ天ぷらと呼び、コーラを知らないので黒水炭酸と呼ぶ」などと悪口を言われてることは有名な話です。事実ではないものの、そんな悪口が広まるあたりが軽く見られてる証拠。勝連にあるのはグスクくらいのもので、またそこの按司(阿麻和利)は首里王府に逆らった悪玉とされてきました。

     

     

    ところが近年、琉球史の研究が進み、阿麻和利は与勝半島に繁栄をもたらした英雄だったとする説が有力になっています。阿麻和利を警戒した琉球王府は首里を守るために、護佐丸を中城グスクに配置し、王女である百十踏揚を阿麻和利に嫁がせています。阿麻和利が一代でそれほどまでに力をつけるには、優れた政治を行ない、人民から尊敬されていたはずだと考えられるようになり、沖縄の万葉集にあたる「おもろそうし」にはそのことを裏付ける歌がありました。また、勝連グスクには戦(いくさ)の痕跡がまったく無いことから、阿麻和利には琉球王府と戦う意思が無かったのではないかとも考えられるようになりました。

     

     

    そんな中、平成11年に始まった現代版組踊「肝高の阿麻和利」は大反響を呼びました。その2年後には勝連にきむたかホールが完成し、活動の拠点となりました。以来、国内外で約300回の公演を行なっています。

     

    ヨカチャーと呼ばれた与勝の子供達は郷土に自信が持てるようになりました。また「肝高の阿麻和利」に取り組むことで、郷土の歴史を学び、郷土に誇りを感じるようになりました。遊びたい盛りの子供達が毎週3回の練習を毎年、高校を卒業するまで続けられる理由がそこにあると私は思います。そして勝連グスクの世界遺産登録。

     

    「肝高の阿麻和利」をこれから観る方は、ステージの端っこのほうで文字通り端役を演じてる男の子、女の子の表情や手の動き、足運びにも注目して下さい。それはもう、ほんまに一生懸命。そのままステージ中央に連れて来ても決しておかしくないことに気付くでしょう。

     

     

    彼らの胸には郷土への誇りががあるからこそ、観客の心に響く演技ができるのだと私は思います。肝高は、心豊か、気高い、品位のあるなどの意味を持つ言葉で、同時に勝連グスクをほめる美称でもあります。その美称を与勝の子供達に与え「肝高の子供達」と呼びたい。そう思い、オヤジはまた涙すると(笑)

     

     

    次回公演は来月。冒頭のポスターの通り土日2日間、昼夜2回計4回の公演です。先ほど調べると日曜日の夜公演はチケット完売で、昼公演が残席わずかでした。土曜日は昼夜とも今なら間に合います。今回は会場がうるま市民芸術劇場になってますから、お間違え無きよう。


    コメント
    10年くらい前に勝連に住んでた頃、勝連城跡で公演があったので見に行きました!
    県外の方にはもちろんですが、県内の方にもぜひ見てもらいたい作品です。
    • mohri
    • 2018/01/25 8:17 PM
    グスクの公演は是非見たいですねぇ。グスクで東儀秀樹とジョイントした公演はDVDかYouTubeかで見たけど、良かったわぁ。
    • coralway
    • 2018/01/25 8:34 PM
    ども〜!(^^)/
    おお!勝連の阿麻和利・・・
    勝連城を何度も訪ねて、あの素晴らしい風景を胸に刻みました。
    “肝高の阿麻和利”・・・沖縄在住時に見たかった。公演CM映像を見ましたけれど、素晴らしい。
    たしか・・・演出は“平田太一 氏”だったでしょうか・・・
    氏が演出した“史劇 北山”も見たかった。
    今帰仁城も何度も訪ねて“攀安知”に思いを馳せました。
    今夜は、またまた“沖縄熱”にやられてしまいそうです。 (* ̄▽ ̄)/
    • JJ花咲
    • 2018/01/25 9:14 PM
    一の曲輪に上がった時の爽快感は群を抜いてると思いますね。

    平田さんは今は抜けてまして、キムタカの卒業生が演出してるようです。

    あまわり浪漫の会がDVDを出して増して、私も買いました。なかなかオススメです。
    • coralway
    • 2018/01/25 9:43 PM
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