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嘘をつかず、余計なことは口にしない

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    JUGEMテーマ:地域/ローカル 

     

    2009年1月に、私が沖縄に来るきっかけとなった出来事がありました。

     

     

    会社の破産に伴い、那覇地裁から破産管財人に指名された弁護士事務所の下で、私は会社の清算業務を手伝うことになりました。まさか、裁判所から給料をいただく日が来るなんて、思いもしませんでしたよ。日給は2万円でした。

     

     

    この出来事のちょうど3年前。大阪のIT企業で雇われ社長をやっていた私は、那覇に本社を置く上記のベンチャー企業に転職しました。東京支社の配属となり、入社後半年ほどは営業部隊を支援するサービス部門の執行役員を務めていました。私にとっては沖縄移住への第一歩。いずれ沖縄に異動になる日が来るはずでした(笑)

     

    ある日の朝。私は芝公園にある高層ビルのオフィスで始業前の時間を過ごしていました。そしたら、突然エントランスの扉が開かれ、金融庁(証券取引等監視委員会)の職員が捜査令状を示しながら入ってきたのです。

     

    「はい、だれも動かないで」

     

    そして無数の段ボールが運び込まれ、テレビでしか見たことがないシーンが現実のものになったのでした。→詳細はこちら

     

    その直後に会社は企業法務やコンプライアンスを担当する部署を新設し、それを入社半年の私が管掌することになりました。捜査を受けた後にコンプライアンスに取り組むなんて後手もいいとこですが、急成長中の若い会社ではよくある話です。

     

     

    その日から、以下の4つの組織に囲まれた私の毎日が始まりました。

     

    (1)金融庁(証券取引等監視委員会)

    捜査権を持つ機関で、会社の不正を暴くことが役目です。

     

    (2)第三者調査委員会

    社内に弁護士、公認会計士からなる調査委員会を設置し、過去の取引を調査することになりました。立派な先生方にお願いしたので、その費用は2年半で10億円近くになりました。

     

    (3)会計監査人

    会社の決算に監査証明書を発行する公認会計士事務所です。会社の決算には監査証明書が必要なので、会社はなんとか証明書を得ようとします。一方、会計監査人は不正な取引を行なった会社に証明書を発行してしまうと、公認会計士の資格剥奪となりますので、こちらも必死で取引内容を精査します。

     

    (4)会社

    コンプライアンスの責任者たる私は、上記3組織の事務局(あるいは窓口)を担当しました。

     

     

    金融庁の捜査対象が私の入社前の取引なので、私はその現場を知りません。各取引の内容を知るには社内に保管されている膨大な文書(原本は金融庁に押収されてるので、その写し)を読むしかありませんでした。

     

    不正を行う会社は、文書にそれが現れないように細心の注意を払います。だから、どの文書も体裁は整えられていて、一見、何の問題も無いかのように見えます。ところが、その文書を調べていくにつれ、私の中に心証(心に受ける印象)が形成されるわけですね。


    そして、私の心証は黒。この会社は「やらかしてる」と思いました(笑)

     

    森友問題で、安倍さんに対する皆さんの心証は黒でしょ?。だけど、現在のところ決定的な証拠が無いので、安倍さんは辞めません。

     

    心証が黒だから金融庁は会社を捜査し、決定的な証拠が無いから、調査委員会や会計監査人は仕事を引き受けてくれたのです。

     

     

    上記の4組織を相手にする私の立場は結構ツラいものがありました。微妙なバランスの上に立つ、緊張の毎日が2年半続きました。

     

    そこで私は次の行動指針を決めました。

     

    (1)嘘はつかない

    相手が誰であれ、問われたことには正しく答えるということ。嘘をついたり、はぐらかしたりはしない。

     

    (2)余計なことは言わない

    自分の心証に基づいた意見は口にしないということ。「こう思う」「ああ思う」とは言わず、「こうです」「ああです」、あるいは「知りません」。

     

    局面、局面であれこれ考えず、この2つのルールを守ろうとしました。それでアカンのなら会社を辞めればいいんです。

     

     

    当初は会社から「なんでそんなに正直なんだ」などと責められましたが、嘘をついたところで、局面が変わると嘘の上塗りが必要になるだけのこと。結局のところ、嘘をつかないことが会社を守る最善の方法と考えました。私の任が解かれることは無かったので、会社はそれを納得したのでしょう。余計なことを言わないことで、むしろ、社内における私の評価は上がったかもしれません。

     

    会計監査人の代表がこんなことを言ってくれました。

     

    「Cさんが会社を辞めるようなことがあれば、私達も監査人を降りますよ。Cさんが辞めないから、私達はこの会社を大丈夫だと思ってるんです。カナリアなんですよ、Cさんは」

     

     

    なんか、オヤジが過去の自慢話をやってるようで恐縮ですが、私が言いたいことは、窮地に追い込まれストレスが長期間続くと、誰もが病んでしまうということ。それを避けるには、自分で(なるべく単純な)行動指針を決め、それを守るということ。

     

    「どの組織に対しても嘘はついてない」ということで、どれだけ私のプライドが保たれ、心の平和が得られたことか。結局、会社は倒産してしまいましたが、私は役割を果たしたと思いましたし、だからこそ、破産管財人から声がかかったのでしょう。

     

     

    佐川前長官の証人喚問が今月27日に決まったとのこと。私と佐川さんは同じ歳で、私が2週間だけお兄ちゃんです(笑)

     

    各方面から「ああ言え、こう言え」とプレッシャーをかけられてるでしょうが、佐川さんなりの行動指針を決めた上で、答弁していただきたいものです。

     

    東大を出て、国税庁長官にまで出世された方から、私の経験を連想するなんておこがましいのですが、

     

    「これまでの私の行動や発言は、すべて首相秘書官の指示によるものです」

     

    と、証言してくれないものかと思ったことから、今日の投稿になりました。


    コメント
    佐川の目には覚悟がありません。逃げますよ。
    でしょうねぇ。
    • coralway
    • 2018/03/22 3:44 AM
    私 職場で決めてる簡単なルールがあります。
    その人がいないとこで、その人のnegativeになるかもな、、ってことを言わない。

    その人がpositiveに受け取れそうなら、そのことを本人に言う。


    あっ、、レベルが低いと思った人、、、     まっ、、低いんっすけど、、^^;;

    でも、これ結構 注意してないと言っちゃうんです、、
    自分の評価が上がるとは思わないけど、いざって時に、「あの人を推します」 「この人は推薦しない」 とか自信をもって言えます^^



    レベル低いなーーってコメント、恥ずかしいもんです。
    Cさん、おつかれっした
    • うちなーんちゅ
    • 2018/03/22 8:51 AM
    Cさんすごいです。そんな荒波を乗り越えてきたとは。前々からブログで読んではいましたが、改めてすごいですね。
    辞めなかったのは何かモチベーションがあってなのか、責任感なのか、周りからの声なのか。いずれにせよすごい。

    あ、あのあとさらに子供と一緒にインフルエンザにかかり今日やっと復活しました。散々な3月でした。
    • ココナッツ
    • 2018/03/22 11:26 AM
    うちなーんちゅさん

    まったく同感です。ルールは瞬時にチェックする必要があるので、簡単なほど有効だと思います。

    これだけは守ったと言えることがあれば、筋を通せるし、周囲からも評価されるはずですね。
    • coralway
    • 2018/03/22 12:40 PM
    ココナッツさん

    責任感って言うか、意地でした。

    ホリエモンがゴタゴタした後、livedoorが再生しましたよね。あれを狙ってたんですけど、金融庁の捜査が続いたことで信用が失われ、会社はボロボロになりました。

    会社の清算後、孫会社が自立するお手伝いをしたので、沖縄生活を始めることかできて、そこは良かったかな。
    • coralway
    • 2018/03/22 12:46 PM
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