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「島々へ」〜対馬丸から届いた唄〜

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    JUGEMテーマ:地域/ローカル

     

    悪石島近くの海底に眠る対馬丸。水深が深い上に船体が脆くなっているため、引き上げることは難しいそうです。

     

     

    一つ前の対馬丸に関する投稿で、読者のココナッツさんが紹介してくれた唄「島々へ」。

     

    ココナッツさんのメールから、彼女とこの唄との関わりを知り、それがあまりにも良い話だったので、彼女と私のやりとりを投稿することにしました。(もちろん彼女の了解の上)

     

    とは言え、私信をそのままとはいかない部分もあり、私が形式的な修正を加えています。

     

     

    (1)ココナッツさんから私

     

    Cさん こんにちは!

     

    ココナッツこと群馬のSです。長くなりますが、これまでの経緯をお話しします。

     

    10年前の旅行中のこと。石垣島の知人から「すごく良い唄だから」とデモ音源を渡された唄があります。私はその唄をとても気に入ってしまい、以来、ずっと聴き続けています。ところがこの唄はCD化されることもなく、ほとんど知られていません。

     

    去年のこと。私はふと「こんなに良い唄は世に広めないと!」と啓示が降りてきたような気持ちになり、知人を通じて唄の作者へ連絡を取ってもらうことにしました。作者は40代の女性で今日子さんという方でした。

     

     

    今日子さんは、たまたま対馬丸に関するテレビ番組を観ていた時に、彼女の母親から「貴女のおばあちゃんの妹はこの船に乗って亡くなったのよ」と知らされて強い衝撃を受け、その日のうちにこの曲を書き上げたそうです。

     

    THE BOOMの島唄が沖縄に書かされた唄であったように、この唄もまさに降りてきたように出来上がったそうです。

     

     

    その話を聞いた私は、ますますこの唄を広めたくなり、その気持ちを今日子さんに伝えたところ、彼女が対馬丸記念館のH理事を訪ねることになりました。

     

    対馬丸の遺族でもあるH理事は、歌詞を読んだだけで涙を流されたそうです。そして「何人もの人が唄を作ってくれましたが、これほど前向きな気持ちにさせてくれた唄はありません」と言って下さったそうです。

     

    H理事から「40代の貴女が本当にこの歌詞を書いたの?」と問われ、「そうです」と答えると、「きっと貴女は、おばあちゃんに書かされたのね」と言われたとのこと。今日子さんもその通りだと思ったそうです。

     

     

     後日、私は今日子さんにこう言われました。

     

    「貴女の住所を聞いた時には怖くて言えなかったけど、群馬は沖縄から嫁いだ祖母が暮らし、亡くなった所です」

     

     何故、私がこんなにも沖縄に惹かれ続け、この唄に選んでもらえたのか。そこに深い意味があるような気がするので、今後もこの唄を広める活動を続けるつもりです。

     

    色々ハードルがあり、すんなりとは行っていませんが、この唄を聴き「なぜか涙が止まらない」と、私と同じように衝撃を受けた人達がいると聞き、やはりこの唄には何かがあると思っています。 

     

     

    それから、H理事に「遺族も高齢化し世代交代の時期に来ている」と言われたことが気になっています。遺族の皆さんにこの唄を聴いていただくために、急がなければなりません。 

     

    最後に歌詞を載せます。 やはり、おばあちゃん(か、その妹さん)に書かされたとしか、私には思えません。


     

     


    「島々へ」

     

    作詞・作曲  奥今日子 

    唄・編曲   大城謙 

     

    永遠に島を飾り続けよ  つぐみとなり歌えよ

     

    (一)

    夢も花も波音の渦  目を閉じれば母の声 

    夢色花  美しく悲しく咲いている 

    少女の夢は海の底へ  赤い空仰ぎ見て

    何を思い何を願わん  二度と起きぬ悲しみ 

     

    夢色花のてぃんさぐよ  少女の笑顔となり 

    永遠に島を飾り続けよ  つぐみとなり歌えよ 

     

    (二)

    月と星とが空に絶えぬよう  語りつがん遥かへと

    鉄鉛の音もう響くなと  赤く染みるなこの空

     

    私も歌うつぐみとともに  島々に響き渡れ 

    海に沈んだ花の涙よ  あなたの胸にとどけ

     

    夢色花のてぃんさぐよ  少女の笑顔となり

    永遠に島を飾り続けよ  つぐみとなり歌えよ

     

    つぐみとなり歌えよ  つぐみとなり歌えよ

     

     

    (2)私からココナッツさん

     

    Sさん

     

    良い話を聞かせていただいて、ありがとうございました。 詞の内容はSさんが感じたように、対馬丸で亡くなった女の子の想いなんでしょうね。

     

    その想いがお姉さんを通じて今日子さんに届き、Sさんに届いたということ。

     

    H理事が涙を流されたのは、対馬丸の犠牲者や遺族の気持ちを、これほどまでに代弁してくれた唄がこれまでに無かったということでしょう。

     

    犠牲者を憐れんで欲しい、悲しんで欲しいではなくて、幼くして失われてしまった子供達の将来(夢)を感じ取って欲しいということ。

     

    戦争体験者の高齢化が進み、やがて語り部が居なくなる現実がありますね。これからは、対馬丸の悲劇を知った人達が、その事実から何を汲み取ることができるのか、その感受性を問われることになると思います。 

     

    持ち上げるようでアレですが(笑)、Sさんはそれができているということ。素晴らしいと思いました。

     

     

    (3)ココナッツさんから私

     

    「犠牲者を憐れんで欲しい、悲しんで欲しいではなくて、幼くして失われてしまった子供達の将来(夢)を感じ取って欲しいということ」

     

    そうかもしれません。さすがCさん、すごい洞察力です。印象的だったH理事の言葉を思い出しました。H理事は歌詞を読んで「そうなのよね、暗い海の底に沈んだだけじゃないのよね」と言われたそうです。

     

    どれほどの気持ちなのかと、私は泣けてきました。Cさんの解釈の通りだと思います。

     

    それから、語り部がいなくなったあとの未来のことも納得です。Cさんに解釈してもらって、とてもよく分かりました。


    コメント

     一足遅れで難を逃れた対馬丸の学童と同じように疎開した
    姉に、何の説明もしないで「島々へ」歌詞を見せて来ました・・

     姉は、詩を読むとともに涙を浮かべて、
    「子や孫をしっかり育てなさいよ」と一言。 

     82歳になる姉に辛い思いをさせたかな〜と、後悔しています。

    永久に平和憲法を守る国、
    解釈や利で、民を再び戦場に送るような国にならないでほしい。

     


    • へそまがり
    • 2019/06/10 11:01 PM
    へそまがりさん

    ありがとうございます。

    お姉さんを泣かせてしまいましたが、「子や孫をしっかり育てなさいよ」と反応されたことに、「あっ!」と声を出してしまいました。

    お姉さんの言葉は、対馬丸記念館の理事が「前向きになる」と言われたことに通じる気がします。

    対馬丸の子供達の将来を、私達や、私達の子や孫が生きているということ。対馬丸の子供達を「暗い海の底に沈んだだけ」にしてはいけないということ。

    お姉さんは一言でスパッと言われたなぁ。見事だぁ。
    • coralway
    • 2019/06/11 4:11 AM
    とても心に響く唄ですね。ココナッツさん、はじめまして ナイチに住んでいますうちなーんちゅと申します。 ココナッツさんとこの唄の運命的なつながりに驚いてます。

    >ふと「こんなに良い唄は世に広めないと!」と啓示が降りてきたような気持ちになり、、、


    みんな、こんな気持ちになるんでしょうか? 実は私がこのブログに投稿するようになったのも少し似た感じかも、、、
    ウチナー離れ早30年、、もう私 ウチナーンチュと呼べないな〜〜、っと、このブログめっちゃ刺さるわ〜〜 でもみんな投稿する方はナイチの沖縄好きの方ばかり、おっ一人はものすごい琉球のコアな知識のあるウチナーンチュか〜〜 いや〜にせウチナーンチュはとても恥ずかしくて投稿できんさ〜〜〜


    っと、ずっと眺める日々でした^^;  しかしある日、ウチナーにいるCさんとナイチにいる私  って真逆じゃん! Cさんが感じることを「鏡」のこちら側で似たように感じるわ と。こりゃ投稿しなきゃだ っと。



    なにげに「子供時代の啓発アニメ」と思ってた投稿が、この唄を聴く機会につながったのなら、良かったと感じてます^^
    • うちなーんちゅ
    • 2019/06/11 4:00 PM
    うちなーんゅさん

    Googleによると、このブログの読者の3/4は沖縄県民なのよね。ところが、コメントの多くはナイチの沖縄ファン。

    おっかしいやないの(^^)

    はい、そこの貴方も貴女も。スーミはやめなさいよ(笑)
    • coralway
    • 2019/06/11 5:18 PM
    へそまがりさん

    ココナッツです。
    貴重なコメントをありがとうございます。私達は戦争体験者でないので、気持ちは想像するしかなく、生の声を聞けることは大変ありがたいです。

    お姉様の言葉と涙に、様々なことに気づかされました。この曲の持つ役割を改めて認識しました。
    作者にも転送いたしました。本当にありがとうございます。
    • ココナッツ
    • 2019/06/11 10:23 PM
    うちなーんちゅさん

    初めまして、ココナッツです。
    唄を聴いて頂いてありがとうございます!

    そうなんです。他にも怖いくらいのエピソードもありまして、この唄には運命的な物を感じております。
    映画は、沖縄小学生あるある的に知られているものなのですね。

    内地とウチナーの鏡同士、気づいた瞬間はさぞかしハッとしたことでしょうね。

    軽ーーくコメント出来なかった気持ち、分かります!!
    でもAさんの記事には思わずコメントしてしまうっていう。(私です)。

    • ココナッツ
    • 2019/06/11 10:48 PM
    うちなーんちゅさんへ

    あ!Cさんにこの映画を紹介してくださったのが、うちなーんちゅさんなのですね。ありがとうございます!!気づかずに失礼しました。

    うちなーんちゅさんのおっしゃるとおり、映画の機に、唄の投稿となりました。皆さんに唄を知って頂く機会を作ってくださり深く感謝いたします。
    • ココナッツ
    • 2019/06/12 5:00 AM
    ここ数日、対馬丸関連の投稿にコメントを書いては消すを繰り返していました。
    対馬丸とは若干論点がずれてるとも思えたので…

    でもうちなーんちゅさんのコメントを読んでなるほどと思ったので、思いきって書かせていただきますね。

    月1ですが、対馬丸の子どもたちと同世代の方々と接する機会があります。
    ほぼ全員が集団疎開の経験者です。
    その時の話を色々聞くうちに、こういう機会をなくしてはいけないと思うようになりました。

    対馬丸の子どもたちの体験した重さに比べれば、生還したナイチの子どもたちは遥かに恵まれていて同列にあげては失礼なのかもしれません。

    それでも、参加した子どもたちや送り出した親たちの想いは同じだし、損得勘定のない子どもの目線で見た戦争の風景は貴重であり、多くの人に知ってほしい事実なんだとおもうのです。

    そして実際にそういう話を聞いて、重みや空気感を感じ取り、軽々しく戦争を考えてる事や人が、少しでも減って欲しいと願っています。

    経験者、語り部の方々高齢化って問題ですよね。
    そのために何かしなくてはと思ってはいるんですが、なかなか。。。
    • Achi
    • 2019/06/12 9:22 AM
    Achiさん

    はぁ〜、そんなことをやられてるんですね。是非、継続していただきたいと思います。

    「那覇青少年舞台プログラム」という演劇活動があって、そのメンバーが今月の慰霊の日に、対馬丸記念館前で詩の朗読と対馬丸をテーマにした劇の上演を行うようです。

    https://www.nahapro.com/activities/

    http://coralway.jugem.jp/?eid=4274

    若い人達も機会さえあれば、真摯に歴史と向き合うってことですよね。それができないばかりか、歴史を改竄しようとする大人がいる中、彼らのような存在は、本当に頼もしく見えますね。
    • coralway
    • 2019/06/13 7:07 PM
    >そのために何かしなくてはと思ってはいるんですが、なかなか。。。


    いえいえAchiさん、していますよ しっかり、、、我々ウチナーンチュこそ、基地問題や政府に対してアクションを起こさなければいけないのに、、、なかなかできません。


    同窓生で一人SNSで辺野古移設反対をアピールしている友がいます。みんな会うと「すごいなぁ、がんばれよ」とは言うけど「応援するよ」って奴はいません、、私ふくめ、、、でも心の中はみんな反対だはず




    投稿していただいて、ありがとうございます。私の的はずれの「掲示が降りてきた」投稿を、ハジカシー、と思っていたので、ナイスフォローです^^
    • うちなーんちゅ
    • 2019/06/14 3:20 PM
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