JUGEMテーマ:地域/ローカル
沖縄にはユタムヌイーという言葉があります。ありもしないことをまるで見てきたかのように話すこと。
ユタが「ありもしないことをまるで見てきたかのように話す」ことを前提とした言葉ですから、ユタモドキはそう言われて当然としても、真っ当なユタに対しては失礼ですよね(^^)
沖縄には「ありもしないことをまるで見てきたかのような文章」を書いてるオバハンがいまして、不思議なことにその本がよく売れてます。
そしてこのオバハンは自分をユタと言わずに神人(カミンチュ)と言い直すんですよ。ユタムヌイーだってことがバレると本が売れなくなるからでしょうか?
そしてウチナーンチュは(ウソと知りつつも)「ありもしないことをまるで見てきたかのような話」が大好きなので困ったものです。
沖縄のユタはナイチの占い師と違って、新聞や雑誌に広告を出すことはしません。メディアがユタを取材したいと思っても断られるのが普通です。そして、ユタを買ってるウチナーンチュ(ユタコーヤー)は沢山いるはずなのにそれを口外することはありません。
これは、ユタを買うことが悪いことだとか、恥ずかしいことだと思っているからではなく、自分の内面に関することを軽々に口にしたくないからでしょう。
ユタを買ったことはもちろん会ったことも無い私がこんなことを言うのはナンですが、沖縄からユタが姿を消すことはあり得ないと思います。
沖縄ではご先祖様こそが神。沖縄で行われている年中行事はすべて先祖神に関わるものです。
ユタはそのご先祖様と交信できる霊能者です。ユタを否定してしまうと、自分達がいったい何のために、何を拝んでいるのか説明できなくなりますよね。
沖縄の信仰を維持し、継続させているのがユタの仕事と言って良いかもしれません。ユタが姿を消すとすれば、ウチナーンチュがそのアイデンティティーを捨てた時。そんなことはありえませんてば。