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スナックMIKANの‘自称’マスター

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    古波蔵のスナックMIKANの常連客である与那嶺おとうは電気屋を経営しており、年は60過ぎです。

    店の女の子たちが、「あれ。きょうはおとうがこないねぇ」と怪訝な顔をするほどの常連さんです。

    自ら、MIKANの‘マスター’を名乗り、シマーに酔いつつも時折店内を見渡し、万事順調を確認したりしています。

    それで、ママや女の子たちが、彼を‘マスター’と慕っているかと言えば、まったくそんなことはなく、マスターと呼ぶ際には、頭に‘自称’を付けることを忘れません。


    与那嶺おとうの夜は、当日の営業成績を報告することから始まります。今日一日を振り返りながらシマーを呑み始めるわけで、その気持ちはよくわかります。

    MIKANのママや女の子たちは、ニコニコ顔でその話をよく聞き、ヒソカニ今日の所持金を推定します。

    リッチな夜におとうが居眠りを始めると、ママから女の子に指示が飛びます。

    「起こして呑ませろ」(笑)

    一方、仕事が少なかった日は、別の指示になります。

    「忙しいから、そのまま寝かせとけ」(笑)


    与那嶺おとうに‘マスター’の称号が付かない理由は、彼が「危うきに近寄らず」をモットーにしていることによります。

    客同士がモメた時など、本来は彼の出番です。

    女の子たちがハラハラ顔の、そんな肝心な時に、言っちゃうんです。

    「今夜はもう遅いから帰ろうね〜」と。


    翌日、多少バツの悪い顔で現れたおとうを、ママが待ち受けます。

    「与那嶺さん、エアコンの調子が悪いのよ」

    そこは電気屋さん、ふたつ返事で「よし、見てみようね」となり、そこへ女の子たちが「さっすがマスター、ステキ〜」とフォローを入れます。

    無料でエアコンを復活させたおとうは、満足そうな顔でカウンターに座り、周りの客に「今日のご来店、ありがとうね〜。」などと‘マスター’らしく挨拶したりしています。

    売れ残った不人気シマーを、うまく言いくるめられてキープさせられたり、休日に店に呼び出されて便器の向きを修正させられたり、まあ、ママにうまく転がされています。

    まったくそんなことは思いもしないおとうは「やっぱり、おれが面倒みないとナ」などと考えています。

    そして、今日も営業報告を始めるわけですね。

    20110306170509_0.jpg

    今日、この風景を見て、ふと、おとうのことを思い出したのですが(なんで?)、ひょっとしたら、彼の振る舞いが計算されたものではないかと考え始めています。

    もしそうなら、私は、彼を師と仰ぎますけどねぇ。

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