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カンポーの喰えぬくさー

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    JUGEMテーマ:地域/ローカル

    比嘉恒敏さんが作詞・作曲し、でいご娘が唄う、この唄の意味を、これまで誤解していました。

    20110705074401_0.jpg

    明るい曲調なので、「いくらお腹が空いても、艦砲(弾)は食べられないわ。」くらいの意味のコミカルな唄と思っていたのです。

    それは、とんでもない間違いでした。

    中途半端にしか言葉がわからないってのは困ったことです。


    喰えぬくさーは、喰い残し(喰い残された人)。

    つまり、多くの県民が命を落とした沖縄戦で、生き残ることができた人を艦砲(射撃)の喰えぬくさーと比喩したものだったのです。

    つまり、反戦歌、厭戦歌です。


    この唄は、作者の比嘉恒敏さんの生涯と深く関係しています。

    比嘉さんは、対馬丸の沈没により父と長男を失い、疎開先の大阪で空襲を受け、妻と次男を失います。

    比嘉さん自身も、喰えぬくさーになってしまったのです。

    失意の中、沖縄に戻り再婚した比嘉さんは三男四女に恵まれました。

    この曲が完成したのは1970年頃ですが、その直後、母親を乗せた比嘉さんの車に米兵の車が衝突し、二人とも命を落としてしまいます。

    後に、比嘉家の四姉妹がでいご娘を結成し発表した「カンポーの喰えぬくさー」は、ウチナーンチュの圧倒的な支持を獲得しました。


    歌詞の一部を紹介します。

    わが親喰わたるあの戦
    わが島喰わたるあの艦砲
    生まれて変わても忘らりゆみ
    誰があの様しいいんじゃちゃら
    恨でん悔やでん飽きざらん
    子孫末代遺言さな
    うんじゅん我んにん
    汝ん我んにん
    艦砲の喰い残さ

    (訳)
    親を食べたあの戦争
    島を食べたあの艦砲
    生まれかわっても忘れられない
    誰があんなことを始めたのか
    恨んでも悔やんでも飽き足らない
    子孫末代まで伝えないと
    貴方も私も、
    君も私も、艦砲の喰残し


    最近、比嘉さんが書いた作詞メモが見つかり、沖縄でちょっとした話題になりました。

    書いては消し、消しては書きを繰り返した形跡があり、消した歌詞の中にもまた、比嘉さんの人生と、反戦を願う強い意思をうかがうことができました。

    そして私は、歌詞の意味だけではなく、この唄をでいご娘が40年間唄い続けてきた意味も理解することができたのです。

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