JUGEMテーマ:地域/ローカル
「沖縄オバァ列伝」(双葉社)は2000年発行の沖縄本です。
沖縄のオバァが引き起こす"事件"の数々を面白おかしく書いてあります。
楽しい本だということは間違いなく、その続編である「続 沖縄オバァ列伝 オバァの喝」(2001)、「沖縄オバァ列伝番外編 オジィの逆襲」(2002)と立て続けにヒットしました。
いわゆる沖縄本はナイチの沖縄ファンを読者としていますから、なにしろ面白くないと売れません。
そのため、沖縄本がノンフィクションということはありえず、かなり誇張された内容になっています。
つまり、ネタは事実だとしても、それをどのように誇張するかが重要で、その技術が優れていると、その本は売れるわけです。
現実の沖縄ではなく、沖縄ファンの思い描く沖縄が、その本の中にあります。
この手の本は、面白いのだけれど、何度も読み直すことはありません。
また、続編が2〜3冊発行されたあたりで、飽きてきます。誇張する技術に飽きてくるのです。
「沖縄オバァ列伝」は、その典型のように思えました。
以降、しばらく音沙汰無しでしたが、最新刊が発行されました。
「沖縄オバァの人生指南 沖縄オバァ列伝」(2007,文庫が2010)
既刊の続編ならば買うつもりはありませんでした。どこかで聞いたことのあるような話題が並んでいるだけですからね。
ところが、双葉社も考えました。
著者に比嘉淳子さんを起用して、ノンフィクションに近い路線に軌道修正したのです。
比嘉さんが実際に体験されたエピソードを通して、沖縄のオバァが描かれているので、「ウソくささ」がありません。沖縄の暮らしやしきたりを正しく理解できます。
これなら、読む気になります。また、読み返すこともありそうです。
一時的な沖縄ブームに便乗した沖縄本の時代は終わったのだと思います。ウソがバレたと言ってもよいかもしれません。