自宅から車で2〜30分の所にある、南城市百名(ひゃくな)海岸です。
朝日が昇れば神々しいってことでもありませんが、一日のうちで特別な時間であることは間違いありません。
海中の円錐形の岩をヤハラヅカサと呼びます。琉球民族の祖先神であるアマミキヨが本島に上陸した場所です。
この日の海岸には5人の男女がいました。
砂浜で中年の男女が朝日に向かって座っています。ご夫婦でしょうか。女性はヨガ風のポーズで目を閉じ、男性は本を朗読しています。
50メートルほど離れた場所で、海に入り沐浴している中年の女性がいます。着衣のままで、腰から下が水中にあります。
砂浜の背後の崖下では、2人の女性が拝みをしています。親子かもしれません。
私の勝手な想像ですが、砂浜に座っている男女と海に入っている女性はナイチの方で、拝所のお二人は地元の方でしょうね。
ナイチの方は、スピリチュアルな儀式を行っている雰囲気があり、私はお邪魔にならないように気をつけました。
一方、拝所のウチナーンチュは日常的な「朝のお務め」を行っています。祖先に昨日の出来事や今日の予定を時間をかけて報告しています。
拝みが終わったら「はい、おしまい。」といった感じで家に帰ります。もし私の知り合いなら、「あい、あんた!こんなところで何してるっ!」などと声をかけてくれそうです。
沖縄が好きになり、こちらに移住したナイチャーの一部は、精神世界に入っていく傾向があると聞いたことがあります。
うーん。わかるような気もしますが、それは、自分自身の内面に向かう行為で、ウチナーンチュの祖先崇拝に基づく行為とは異なるように思えます。
つまり、ウチナーンチュの影響を受けたのではなく、沖縄の自然がそうさせているのでしょう。ですから、ウチナーンチュは「あのナイチャーは何をやってる?」と思っています。
さて、朝日を背にして後ろを振り向けば、岬の上に立派な建物があります。宮本亜門さんの別荘らしいです。
著名人の中にも沖縄ファンが沢山いますが、中でも亜門さんの沖縄好きは有名です。
別荘を建てる場所にユタを招いて、海に向かって祈っているところをテレビで見た覚えがあります。
亜門さん、ベランダに座り、朝日に向かって瞑想している気がします。芸術家ですからサマになります。
サマにならない私は、一応、朝日を拝んで家に帰ることにしました。