お客様からの注文で、こんなものを仕入れました。
(1)ブルーベリーソース
ブルーベリーのソースって、世の中にそんなものがあったのかと驚きます。
決して美味しそうには思えませんが、農連市場の仕入先には無かったので、食品量販店に出向きました。
で、普通の人なら、迷わずヨーグルトコーナーへ直進するところ、55歳になったばかりのおっさんは、ソースコーナーへ行きますね。
しかも、見たことも聞いたことも無い食べ物を探すのですから、私の苦労はいかばかりかと、察していただけるものと思います。
「ブルーベリーのソースって、んなもの、あるわけないじゃん。」とムカついていたら、いいタイミングで友人からメールが届きました。
さっそく聞いてみると、
「ブルーベリーやんか、アホちゃうの!!そんなんも知らんって、ありえへん!!」
「あっ、なぁんだ、ブルーベリーか。なら、そう言えよな。それをソースって言うから、」
「ソースやんか!!」
驚愕の真実が発覚し、めでたし、めでたしとなるところ、こいつは1パック130グラムです。注文は1キロ。そこで、こいつを8パック買うようでは、プロとは言えません。
ブルーベリーソースの何たるかを正しく理解した私は、更に1時間をかけ、ブルーベリーソース500グラム2本を入手したのでありました。
人件費やガソリン代を考えると、130グラム8パックを買うほうが合理的に決まっています。ただ、まあ、そうはいきませんからね。
お客様から「500グラムがあるのね、知らなかったわ。」と言われ、「そうですか、良かったです。」と平然と応える私。
前夜、ソース売り場をウロウロしていたのに、今や、プロ!!
さすがですねぇ。
(2)アラザン
ブルーベリーソースを知らなかったのは、さすがに恥ずかしいと思いましたが、アラザンを知らないおっさんは、世の中になんぼでもいそうなので、心安らぎます。
おもろまちにリボンという、ケーキ食材専門店があるので、そこへ行ってみると、たかだか仁丹のくせに、色が5種類、大きさが3種類もありました。
色は赤青黄色のようなものではなく、青みのかかったシルバー、紫に近いシルバーなど、グラデュエーションの世界です。
お客様に連絡しても、私のボキャブラリーで、この色の違いを説明することは難しいでしょう。
そんな時は、初心に帰ることが肝心です。私は最も仁丹に近い色を選び、子供の食べ物ですから、サイズはSにしました。
「そんなんなら、そこらのサンエーに売ってるでしょ!!」
チッチッチ、駄目なんですよ、それでは。
お客様から「色の種類や大きさはどんなのがあるの?」と聞かれた時に、サンエーで買ったおっさんと、15種類から厳選したおっさんとでは、受け答えの奥深さが違うというもの。
まあ、誰にも聞かれませんでしたけどね。
(3)むき枝豆
「中国産は絶対にダメ」と、お客様からキツく言い渡されているので、これは気合を入れなくてはいけません。
私の好みでは、皮付き、塩味付きがよろしいかと思いますが、食べるのは保育園の園児たちですから、言われたとおりにしておきましょう。
「台湾産やがな!!」
台湾は中国の一部と言えるのか?
極東アジア最大の国際政治課題を、いきなり突きつけられても、どうしたものかと悩みますよねぇ。
まあ、しかし、そのお客様は中国がダメと言ってるのですから、台湾政権の支持者に違いありません。てことは、台湾産のむき枝豆を快く受け入れることでしょう。
私の予想ですが、お客様がこれを見たら、一瞬、顔が曇るでしょうね。で、その5秒後に「まあ、いいか。」って顔に変わると思います。
沖縄の那覇地域では、「台湾は中国の一部とは言えない。」と世論が形成されつつあり、私も微力ながら、それに貢献したことになりまして、大変結構でございました。
以上、楽しい食材選びの時間でした(笑)