来年1月の
名護市長選挙に向けて、革新系で普天間飛行場の辺野古移設に反対する稲嶺現市長は、早々に立候補の意思表示をしていました。
一方の保守系、つまり辺野古移設を容認する勢力の候補者選びは難航しました。自民党沖縄県連は、本音は辺野古移設容認だけど、それを言っちゃうと選挙に勝てないので、県外移設を主張しています(笑)。
まったく情けない限りです。仮に自民党県連が、本気で県外移設を主張するのならば、沖縄県民を代表して、自民党本部(つまり政府)を説得するべきでしょう。それができないのなら、組織のルールに従って、沖縄県民に対して、辺野古移設を訴えるべきです。
そのどちらでもない状態を続けているのですから、候補者が決まらないのはあたりまえです。
自民党県連は、本来なら、辺野古移設を容認する島袋前市長を推すべきなのですが、県外移設を主張している立場ですから、それができません。
で、沖縄県議の末松文信氏を候補者に選び、反対でも容認でもない「検討中」と言わせました(笑)。辺野古移設が争点の選挙で「検討中」って、おかしいでしょ。
こんな人を関西では「ヘタレ」と呼びます。相手がヘタレですから、稲嶺氏が圧勝しそうなものですが、案外、接戦になるかもしれません。辺野古移設を容認する市民は、どんなヘタレでも末松氏に票を投じるでしょうからね。
「それが政治だぁ。」とか、「素人は黙っとれぃ。」とか、自民党県連方面から、ダミ声が聞こえてきそうです。
そして、今日、島袋前市長が立候補を表明しました。もちろん、辺野古移設容認の立場です。
私は辺野古移設に反対ですから、島袋氏を支持しません。しかし、政治家の行動としては、島袋氏は正しいと思いますね。
さて、島袋氏の出馬を受けて、末松氏はどうするのか。普通に考えると降りるでしょう。辺野古移設反対と容認の候補がいれば、「検討中」に出る幕は無いはずですからね。
末松氏は現職の県議です。せっかく勝ち取った県議のポジションを、「検討中」と言うために捨てることはありません。でも、本当に降りちゃったら、自民党県連は赤っ恥ですね。どうするんでしょうね。
仮に、末松氏が降りなかったら、三つ巴の選挙になります。普通に考えると票が割れる保守系が不利ですね。そして、稲嶺氏が再選を果たすでしょう。
だけど、島袋氏と末松氏の得票数を加算したら、稲嶺氏を上回るかもしれません。その時、名護市民の民意は、辺野古移設に反対と言えるのか、賛成と言えるのか。
この、わけがわからなくなるところが、沖縄の選挙なんですねぇ。