昨年末、仲井真知事が辺野古埋め立てを許可し、記者会見を行いました。
あれほど明々白々な公約違反に対し、記者の質問はヌルい印象でした。知事が返答に窮する場面を作れませんでしたからね。
その中で、注目を集めたのがこの質問でした。
「仲井真さんは、日本国民としての日本語能力を、常識的な日本語能力をお持ちの方だと思うからお聞きするのだが、公有水面の埋め立ての申請があった場所は県内か、県外か」
質問したのはTBS報道記者の金平茂紀さん。
テレビをほとんど見ない私は、金平さんを知りませんでしたので、ともかく著書を読んでみようと考え、選んだのがこの一冊でした。
「沖縄ワジワジー通信」
沖縄タイムスに連載された、金平さんのコラムをまとめたものです。
私は、「なるほどなぁ。」、「そうだよなぁ」を繰り返しつつ、一気に読了しました。私の知識が整理され、かつ、深まった気がします。
さて、冒頭の記者会見に戻りますが、金平さんの質問に仲井真知事は怒ってしまい、まともな返答をしませんでした。もしくは、怒ったフリをして、正面から返答することを避けました。
いずれにしても、公約違反をした知事を追い詰めるには、金平さんの言葉使いが適切ではなかった。最初からケンカ腰に聞こえましたからね。
上記の著書にも、金平さんのそうした姿勢、つまりトンガリ過ぎな物言いが散見され、「やっぱり、あんな質問の仕方になるのかなぁ。」と思えました。
そして、著書巻末の対談に選んだ相手は、知念ウシさんと大田昌秀さん。
知念さんは、「沖縄が好き。」と言う観光客に、「だったら基地を持って帰れ。」と言い放つ人ですし、大田さんは琉球独立を理想とする人です。
対談相手として選ぶには、「ちょっとなぁ。」と思いますが、金平さんにとっては肌が合うのかもなぁとも思えます。
金平さんはTBS「NEWS23」の編集デスクとして、キャスターの筑紫哲也さんから全幅の信頼を置かれていた方だそうです。
それを聞くと、筑紫さんならどんな質問の仕方をしただろうと考えてしまいます。
あの記者会見で、仲井真知事が返答に窮する場面を作れるとしたら、金平さんだったことは間違いないでしょう。
それだけに、「あの言い方はまずかったかな。」と思いますね。
さて、昨日の名護市長選挙で、稲嶺進さんが当選しましたね。おめでとうございます。本当に良かった。
仲井真知事の記者会見に名護市民が反感を持ったことが、稲嶺さん当選の要因の一つだとすれば、あの記者会見にも意味があったことになります。
仲井真知事は、足腰を痛めて車椅子が必要だったはずですが、連日、末松候補の応援で名護へ出向いていましたね。「よい正月」を過ごして、痛みが和らいだんでしょう。良かったですねぇ(笑)。