上間の村井(ムラガー)の正面には小堀(クムイ)があります。
丘の上にある上間集落ですが、この小堀のあたりだけが窪地になっています。元々、村井の水が自然に溜まったのでしょうが、大雨の時の調整池として、あるいは防火用水として、集落の役に立っているようです。
今、小堀の周囲はコンクリートで補強され、転落防止用の柵が設置されていますが、かつては、馬を連れて降りれるような緩やかな斜面になっていました。馬に水を与えたり、馬の身体を洗ったりしたのですね。
さて、上の写真には、大きなガジュマルが写っています。
昔、上間のあるニィニィが、馬を繋ぐために、どこからか棒を拾ってきて地面に突き刺しました。
なんということでしょう(笑)。
その棒はガジュマルの枝で、生きていたんです。
「あれあれ」と言ってる間に、その枝は根を張り、葉をつけ始めました。
馬を繋ぐための棒に根が生えただなんて、貴方。なんて好都合なんでしょう(笑)。馬が押そうが引こうが抜けることはありません。
ガジュマルはどんどん成長し、やがて大木となりました。もはや、馬を繋ぐには幹が太すぎ、ガジュマルは当初の役割を終えることになったのです。
上間集落の皆さんは、「まあ、邪魔になるわけじゃないから。」と、ガジュマルをそのままにしておくことにしました。
そして、現在に至る。と。
楽しい話ですねぇ。
(終わり)