ある保育園にパパイヤシリシリ5キロを納品した日のこと。調理師さんと、こんな会話になりました。
調「Cさん、人参シリシリは無理よね。」
C「へっ?。できると思いますよ。仕入れ先に確認してみますね。」
調「うわぁ、本当?。量が多いからたいへんなの。良かった〜。助かるわぁ。」
そんなに喜んでいただけるのなら、もっと早く調べておけば良かった。確かにチビッ子相手とはいえ、百人分、二百人分の人参をシリシリするのは大変そうです。
さっそく、シリシリ商事(仮名)に電話しました。
シ「はい。人参シリシリ、承ります。」
C「それはありがとう。値段はいくら?。」
シ「それは後ほど、営業から連絡の上、ご相談させていただきます。私は価格をお伝えできないので。」
C「あのね。月に何トンも仕入れるわけじゃないのよ。御社の標準価格を言っていただければ、『はい、そうですか。』で終わりなんだけど。」
シ「そう言われましても、そういうルールになっておりまして。」
C「じゃあ連絡してもらって。」
シ「ありがとうございます。」
C「あっ、それからね。」
シ「はい。」
C「去年から御社にパパイヤシリシリをお願いしてるけど、半年後に突然価格が5割も値上げになって、今もそのまんま。御社の営業さんからは相談どころか連絡もなし。」
シ「はい・・・。」
C「で、今度は人参で、何の相談かって聞いといて。」
シ「うわぁ・・・。」
C「じゃあね。」
そして15分後、シリシリ商事から電話がありました。
シ「もしもし、すみません。営業ではなくて、また私です。」
C「やっぱり。」
シ「はい。あっ、人参シリシリ、キロ418円で承ります。」
C「おっ、いい感じだ。ありがとう。じゃあ、それでお願いします。」
シ「私は価格を言えないはずなんですけどね。」
C「そうだよね(笑)。ところで、人参の産地はどこ?。」
シ「はい。外国産です。」
C「(笑)。」
シ「笑われると思ってました。」
C「外国産って、主にどこなの?(笑)」
シ「その時々に市場に出ているものから選びます。」
C「うわぁ。」
シ「また、そう・・・。」
C「ほとんどが中国産ってことね。」
シ「はい・・・。」
C「まったく問題無いよ、中国産で。市場には中国産しか出てないでしょ。」
シ「すみません。」
彼女が営業から「こう言え。」と言われたことは、それだけを聞けば正しいこともあります。だけど、常に正しいってことにはなりません。
少なくとも、これまでの経緯や現状に照らし合わせて、合理的なものでないと、取引相手からの信頼は得られないでしょう。
電話で応対してくれた女性は、そのことに気付いているはず。ところが、彼女の向かいか隣に座ってるはずの営業君がわかっていませんよね。
取引相手とはハードな交渉になったり、対立したりするのがあたりまえ。その時、双方の言い分が、少なくとも合理的でなければ、それこそ、話になりません。
いくら対立しても、相手の言い分に一理あると思えば(つまり、合理的ならば)、自分の立場を横に置いて、その相手を認めることはできますからね。
保育園の調理師さんが喜ぶ結果になったから、まあエエんですけどね(笑)。
これを広島弁では、「まあ、エエことにしょうかぁ。」と言います。
なお、故郷の広島が大雨でえらいことになっていますが、私の実家は影響が少なくて済んだようです。