ヒゲのボースン、南極から帰還す

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    初代南極観測船の宗谷です。



    1956年11月、第一次南極観測隊を乗せて日本を立ち、翌年1月に日本の観測船としては初めて、南極大陸に接岸しました。

    以降、宗谷は毎年、南極大陸への航海を続け、1961年に第六次観測隊を南極に運び、その役目を終えています。

    過酷を極めたのは1957年の第二次観測隊でした。悪天候に見舞われ、第一次観測隊の収容には成功したもの、第二次観測隊の南極上陸は断念せざるを得ませんでした。

    その時、南極に取り残され、厳しい冬を生き抜いたカラフト犬のタロとジロはあまりにも有名です。


    タロとジロが発見された年の翌年、1959年10月のこと。第四次観測隊を乗せた宗谷の甲板長は、津堅島出身の嘉保博道(かほひろみち)さん。宗谷の乗組員、観測隊員を通して唯一のウチナーンチュでした。



    嘉保さんは立派なヒゲの持ち主で「ヒゲのボースン」と呼ばれていたそうです。(ボースンは甲板長の意味)


    嘉保さんが乗船した宗谷の最初の寄港地はシンガポール。つまり、宗谷が津堅島の沖を通ります。

    その日の朝、津堅島の子供達は丘に登り、港から出た多くの船が、宗谷に伴走しました。

    嘉保さんを激励する島の人たちと、甲板からそれに応える嘉保さん。見送る側の誇らしい気持と、見送られる側の喜び。

    米国統治下の沖縄ですから、宗谷が伊豆大島の沖を通るのとは、訳が違います。

    私はその光景を思い浮かべ、早くもウルウルモードですが、話は続きます。


    宗谷は南極に第四次観測隊を無事に送り届け、日本への帰路、那覇に寄港したのです。1960年4月16日のことでした。

    その時の古い写真がありました。



    那覇に到着した宗谷は大歓迎を受けました。5万人が泊港に押し寄せたそうです。日の丸の小旗が振られ、万歳の声が止みませんでした。

    宗谷が那覇に滞在したのは、わずか2泊3日。嘉保さんは迎えに来た兄弟達と共に、一晩だけ津堅島に帰り、それが26年ぶりの帰省となりました。


    嘉保さんが帰って来ると知り、島は沸き返りました。嘉保さんの小さな実家に島民が集まり、同級生達は「歓迎嘉保博道君」と書いた幟を立てました。

    両親の仏前で手を合わせ、涙を流す嘉保さん。そこへ「これでクンチグワー(栄養)をつけなさい。」と刺身を持って来た近所のオバぁ(笑)。風邪で寝込んでいたはずの嘉保さんの叔母が現れ、手拍子に合わせてカチャーシーを始めました。


    当時の津堅島には公民館が無かったのか、嘉保さんの歓迎会は御嶽の原っぱで行われたようです。

    夜遅くまで続いた歓迎会で、嘉保さんが披露したのは沖縄民謡「浜千鳥」でした。

    旅や浜宿り 草の葉の枕
    寝ても忘ららぬ 我親の御側
    千鳥や浜居てチュイナチュイナ

    (旅は浜に宿り、草の葉を枕に寝ているが、寝ても忘れられないのは、親の側で暮らした日々のこと)


    この曲を選んだ嘉保さんは素晴らしいけれど、その日の状況にピタッとくる曲を用意できる沖縄民謡の厚みが凄い。

    これから先、浜千鳥(ちじゅやー)を聞く度に、私は津堅島の御嶽を思い浮かべるでしょう。


    さて、短い滞在を終え、宗谷は那覇を後にしましたが、その夜、宗谷から一通の電報が沖縄の新聞社に送られて来ました。

    そこに記されていたのは、嘉保さん自作の琉歌でした。

    天からがやゆら神からがやゆら
    志情きぬ雨に濡りてうれしや

    (天が降らせたのか、神が降らせたのか。人情の雨に濡れてどんなに嬉しかったことか)


    嘉保さん、やりますねぇ。

    津堅島の暮らし、オバぁのウチナーグチ、叔母さんのカチャーシー、御嶽の歓迎会、沖縄民謡・・・。

    この素晴らしい琉歌を沖縄の文化や伝統が、しみじみと下支えしていますよねぇ。


    島添大里のカニマン御嶽

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      島添大里のカニマン御嶽です。



      「異形」という言葉が、まず思い浮かびます。いかにも沖縄な雰囲気です。

      琉球石灰岩の岩上に、石灰岩を筒状に積み、その上部にドーム状の屋根石。そのまた上に球状の宝珠。


      カニマンは金満と書き、一説によれば鍛冶屋を意味するそうです。

      この御嶽が造られたのは、おそらく琉球王朝時代の前の三山時代。

      鍛冶屋は、軍隊には武器を作り、農民には農具を作りました。国王からも国民からも頼りにされていたのです。


      私はかつて、鉄鋼メーカーで23年勤めましたが、当時、印象に残った言葉が「鉄は国家なり」。高度成長の時期、鉄鋼業界には国を牽引している自負があったのです。

      古琉球の時代は、尚更、鉄を支配する者は国を支配できたと言えるでしょう。鍛冶屋の地位はかなり高い所にあったようです。

      まあ、そこで、鍛冶屋の娘がノロとなり、カニマン御嶽が造られたと。おそらく。


      この場所は島添大里グスクの西端です。グスクからも行けますが、チチンガーの前を通り、集落を抜けたほうが分かりやすいでしょう。

      チチンガーはグスクの井戸です。



      この石組みは井戸の拝所。左手の階段を地下8メートルまで降りた所に井戸があります。








      チチンガーから集落の奥へ道なりに進むと、カニマン御嶽へ続く石段があります。



      石段の先に、小さな広場が見えてきます。




      この広場は遥拝所。当時の平民はここまでしか入れませんでした。

      カニマン御嶽の遥拝所と、



      国王(南山王)の墓の遥拝所。



      カニマン御嶽のポジションは国王の墓と同列ってことになりますね。


      広場から石段を進むと、そこはかつてのグスク内。現代の平民は自由に出入りができます。



      そして、石段を登った先に、カニマン御嶽があります。




      う〜む。鍛冶屋は偉かったんですね。

      「しばしも休まず、 槌打つ響き・・・」

      なんてイメージしてると大間違いです。


      最後に、島添大里グスクの物見台から眺めた那覇です。肉眼では慶良間まで見通せました。



      仕事に疲れた鍛冶屋が、私と同じ場所に立ち「う〜〜ん」と背伸びをしたことでしょう。

      で、私も「う〜〜ん」って、やっておきました(笑)。

      追加注文のクルシミ

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        ワタクシ、モノレール奥武山公園駅から小禄駅に向かう坂道を走行中です。



        殺風景な那覇の街ですが、坂道を登る時に青空が広がるといい気分です。

        ここを走るのは、1時間ほど前に続いて今日2度目。追加注文があり、それを届けているのです。

        調理師の皆さん!!

        調理台の上に食材を並べて、そこで初めて、足らない物に気づくのはやめなさい。

        それから、某青果店には、冷蔵、冷凍はもちろん、チルドルームまであり、その隣には常温保存品の大倉庫。どんな物でも直ちにご用意できます。と、思ってるようですが、そんな設備はございません。

        まあ、農連市場全体が、その代わりをしているとも言えますが、市場の各店舗は在庫を抱える余裕が無く、ほとんどは前日か前々日に注文が必要です。


        それでも何とかして、必要な物を探し出しますが、「こらアカン。」と思っても、不思議と何とかなるので困ったものです。

        そして今、私は保育園へ向かっていますが、そもそもこの時間帯、私は明日の仕入れや注文やらでバタバタと忙しくしてるはず。「あ〜!!時間が無いっ!!」とアセりますが、これもそのうち何とかなるので困ったものです。


        追加注文に対応するクルシミが、デジタル表示できるのなら、どなたか、私の胸のあたりに装着していただきたい。

        ある日、追加注文を届けたら、クルシミの度合いは、なんと最高値の99。

        それを見た調理師は、「ご苦労をおかけして、本当にごめんなさい。次から、こんなことにならないように気をつけます。ありがとうございました。」と涙を流すことでしょう。

        ところがワタクシは、親の躾けが良かったのか、そんな時ほど「こんなん楽勝!!」みたいな顔をしたがるので困ったものです。

        その顔を見た調理師は「よっしゃ、次もオッケーか。」と思うのでありました。


        しょうもない事を言うのは、このぐらいにして、さあ、午後の配達行くか!!


        嶋田叡知事の顕彰碑

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          沖縄県最後の官選知事嶋田叡(あきら)氏は、沖縄戦の直前に着任し、多くの県民の命を救いました。

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          4年前、私は田村洋三氏の著書「沖縄の島守」を読み、こんなにも県民に尽くした知事がいたのかと感激し、識名、糸満、摩文仁など、嶋田氏の足跡を追ったことがあります。

          私は、元産経新聞記者の故近藤紘一氏の大ファンです。彼の過ごした街を見たいだけのために、ベトナムのホーチミンシティを訪ねたことがありますが、そんな気持ちになったのは嶋田氏が二人目です。


          先月、嶋田氏の顕彰碑が完成し、奥武山公園に設置されました。



          モノレール奥武山公園駅から、セルラースタジアム那覇方向に歩いてすぐの場所です。


          嶋田知事終焉の地とされる摩文仁には、嶋田知事を讃える島守の塔と県職員の慰霊碑が建立されています。

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          加えて、那覇市内に顕彰碑があれば、より多くの人が嶋田氏を知ることになるでしょう。


          しかし、な〜んか素直に喜べないんですよねぇ。何でですかねぇ。


          櫻井よしこのアホが、自身のブログでこんなことを言うてます。

          牛島、島田両氏が軍と行政の長として指揮した沖縄で、梅澤氏ら軍人が住民に集団自決を命じたなど、あり得ないのだ。

          牛島氏とは、沖縄戦を指揮した牛島満中将のことです。

          櫻井よしこは、牛島中将は立派、島田知事も立派、だから、日本軍が沖縄県民に集団自決を命じるはずがないと言うてるのです。

          「アホはやっぱりアホ」と言うしかありませんが、まあつまり、このような人達が、嶋田知事を利用して、沖縄戦における日本軍の行為を正当化しようとしたりするんですよ。

          どんなことであれ「嶋田知事を利用すんなっ!!」と言いたい。


          奥武山の顕彰碑は、有志の皆さんからの寄付金で建立されたそうですので、嶋田知事を讃える以外の意図は無いでしょうが、そんなことがチラッとよぎるのが困ったものです。


          沖縄戦当時の県職員山里和枝さんは、嶋田知事の行動や言葉を語り継いでいます。

          また、嶋田知事の遺体を何とか見つけたいと、摩文仁の崖地を捜索している人達がいます。(こちらから)

          一昨年、AKAMINEさんが、この捜索に突撃参加(?)されたことには、本当に感心しました。


          嶋田知事は識名の県庁壕から南部へ移動する際、識名園の横の道を上間に抜け、国場へ下りています。私の自宅のすぐ近くです。



          私は、奥武山の顕彰碑前に立つより、嶋田知事が歩いた坂道に立ち、丸メガネをかけた小柄な知事の姿を想像するほうが好きです。


          一日に3度も「プッ」って笑われた

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            先日、私としたことが、一日に3度も「プッ」って笑われてしまいました。

            (1)サンエー壺川店で

            配達の帰り途、いつものようにサンエー壺川店に寄りました。



            必要な物を買い揃え、レジに運ぶと、

            店「プッ!!。Cさん、おはようございます。」

            C「わかります。」

            店「なっ、何が?(笑)」

            C「プッの意味が。」

            店「わっ、わかるんですか?(笑)」

            C「あんなに広い入口なのに。」

            店「クックック、ふ〜、クック(笑)」

            C「どうしてこの人はぶつかっちゃうんだろ。」

            店「そっ、ヒ〜!!、アッハッハ〜(笑)」

            C「急いでますので。」

            店「かっ、缶コーヒーはいいんですか?(笑)」

            C「おっ、そうやった。ありがとう。計算しててね。」


            (2)みつわ産業壺屋店で

            そして、くそ暑いお昼前。みつわ産業へ。



            店「あっ、Cさん。プッ!!。いらっしゃいませ(笑)」

            C「さっき、前まで来たのを見たのね。」

            店「そうなんです。何で帰っちゃったのかなぁ、と思って(笑)」

            C「ワタクシ、ラップの本数を忘れました。」

            店「ハッ、ハッ、アッハッハ!!」

            C「じゃあ、持って来て。アルミホイル3本、クックペーパー4本、サランラップ30センチ5本、22センチ3本。はいっ!!」

            店「なぁ〜んだ、楽勝ですよ。」

            C「フンッ、エアコンの効いた所にいる人にはわからんよ。」


            (3)金城商事牧志店で

            夕方、最後に金城商事。バター不足が深刻です。



            店A「いらっしゃいませ。」

            C「はい、そこの貴女。」

            店A「はっ、はい。」

            C「隠してあるバターを、おとなしく出しなさい。」

            店B「プッ!!」

            店A「いやだ(笑)」

            C「いやだじゃないっ!!。隠してあるのは、ばれとるんだ。有塩3つと無塩4つ!!」

            店A「さぁ、なんのことやら(笑)」

            C「悪いようにはせんから、出しなさい。」

            店A「えっ、どういうことですか?」

            C「この後、ジランバ屋へ支払いに行くのだ。」

            店B「あっ!、私が持って来ます。」

            店A「いえっ、私が。」

            C「こいつらよ(笑)。」

            店B「バクダンお願いしま〜す。」

            店A「私も〜(笑)」

            C「(笑)」


            市場のバイク屋がプロ過ぎる(笑)

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              突然開かなくなったバイクのシート。

              ここにキーを差し込んで回すと、シートがカパッと開くべきところ、ピクリとも動きません。



              農連市場の津波古バイク店に修理を頼みました。




              そして、数時間後。

              C「社長、どう?」

              社「ワイヤー切れちゃってるね。鍵穴をこじ開けるしかないよ、これ。」

              C「こじ開けるって、それは修理かぁ?」

              社「色々調べたんだけど、それしかないの。ちゃんと調べたから。」

              C「本当かぁ?。まあ、市場のバイク屋はここだけやし、プロが言うんだから信じるわ。」

              社「俺がやるとお金がかかるから、Cさんがやる?。ドライバーかなんかで、こじ開けるだけだから。」

              C「え?。ここはバイク屋だよな。」

              横にいた客のおっさん「いや、社長はね、無理にこじ開けるとパネルが割れたりして、思わぬ結果になりかねないって言ってるの。プロはそこまで考えてるってこと。わかるか?。」

              C「はぁ?、まったくわからんけど。」

              客「じゃあ言い方を変える。こういうことは・・・」

              C「社長、ドライバー。やってみるわ。横で見といてよ。」

              社「あっ、やるの?。」

              C「まるでバイク泥棒だな、こりゃ。」

              社「あっ、Cさん。そうじゃなくて、こっちから、いや違う、えぐり出すようにして、あ〜、ちょとドライバー貸してっ!!」

              C「(笑)」

              社「あっ!!」

              C「どした?」

              社「ここに固定してあんのか。あっちゃ〜、しまったな。もう、ドリルで穴開けるしかないか。Cさん、穴開けていい?」

              C「もう、シートが開くんだったら、何でも許します。」

              社「よ〜し。工具は沢山あるからね。バイク屋だから。」

              C「(笑)」

              社「よっし、できた。」

              C「ほぉ〜、プロの仕事だねぇ。」




              社「これで、ワイヤーを引けばシートが開くからね。」

              C「オッケー。あっ、そうや。津波古バイクのシールがあったやろ。あれ、一枚ちょうだい。」

              社「えっ、どうすんの?」

              C「いや、この穴の下んとこに貼ろうかと。」

              社「えっ!!、やめて、それはやめて。ねっ、お願い。」

              C「(笑)」

              C「結局、社長にやらせたから、工賃払うよ。」

              社「いらない、いらない。お金はいいから、ウチで修理したって言わないでよ。」

              C「いや、言う(笑)。」

              社「いや、ほら、俺にもプライドあるから。」

              C「プライドねぇ。」

              社「あっ、ちょと待って。」

              C「まだなんかやんの?」

              社「Cさん、ワイヤー縛りつけて、端っこにリングも付けたからね。これ引っ張るとシートが開くから。」



              C「ほ〜、プロは丁寧な仕事をするねぇ。」

              社「Cさん、冷たいの奥で飲んでって。アイスコーヒー。あっ、韓国のドラマ始まるけど、一緒に見る?」

              C「(笑)」


              わかります?

              「もう、なんでもエエから好きにして。」

              って、私の気持ち(笑)。


              松井優史著「ハイサイおばぁ」(2)

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                松井優史著「ハイサイおばぁ」。



                知念のお母さんから借りて、この本を読み終え、私に生じた二つの疑問は、

                (1)何故、登場人物が農連市場のオバぁ達なのか

                (2)何故、オバぁ達は、私的な身の上話を語る気持ちになったのか

                というもの。

                直感的には、疑問は二つでも、答えは一つです。


                まず、疑問の(1)について。

                この本のテーマは「戦中、戦後を生き抜いた沖縄のオバぁ」です。登場するオバぁは、糸満のオバぁでも、山原のオバぁでも良かった。

                仮に、この本のサブテーマが農連市場だとすれば、10人のインタビューを読み終えた時、例えば、全盛期の農連市場の様子が伝わるような、インタビューの工夫が必要です。

                ところが、著者のインタビューにそうした意図は感じられず、話の主導権は常にオバぁの側にありました。


                本の装飾などが農連市場を強く意識させる内容になっているのは、「農連市場=元気なオバぁ」というイメージを、商業的に利用したいからでしょう。それだけの理由で、インタビューの相手は農連市場のオバぁになったのです。

                先日開催された農連祭りの発想に似てますね。

                この本のテーマは「農連市場」ではないので、本来、登場するオバぁ達は、他所のオバぁでも良かったのです。


                次に疑問の(2)について。

                インタビューを受けたオバぁ達は、ほとんど見ず知らずの著者に、何故、私的な身の上話を語る気持ちになったんでしょう。

                幼少の頃、奉公先で虐待を受けたとか、戦争中に飲み水が無くなり、小便を飲んだとか、簡単に語れる内容とは、とても思えません。

                一人一人のオバぁの性格は、著者より私のほうがわかっています。

                インタビューに戸惑いながらも、返答を続けるオバぁ達の気持ちを、私は行間から読み取ることができます。

                結局、オバぁ達は農連市場の本が出ると聞き、自分が語ることで、市場の役に立つと考えたのでしょう。

                そうでなければ、しゃべりませんよ。顔写真入りで活字になるんですから。


                そして、出版された本は、オバぁ達が予期していた内容だったのか。

                「こんなことなら、話すんじゃなかった。」

                そう思ったとしたら、酷い話です。


                そして、昨日の投稿の冒頭の話に戻ります。

                知念のお母さんは、私が読みたいと言えば、本を貸してくれます。

                しかし、私が頼んだ翌日に「はいどうぞ。」と、ニコニコ顔で渡せるシロモノではなかったということ。

                何日か先延ばしして、そのうちに渡そうと考えたのではないかと思います。

                私が本のことを忘れてしまえば良かったってことですね。


                松井優史著「ハイサイおばぁ」(1)

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                  本の表紙を飾るのは、農連市場のオバぁ達二十数名。2007年の出版なので、皆さんの若いこと。



                  お亡くなりになった方や、リタイアされた方を除けば、私は当然、全員と顔見知り。気を使わず、親しく話ができる方が7〜8人といったところです。


                  最前列でチラガーを抱えている知念精肉店のお母さんが、この本を持ってまして、

                  C「貸してちょうだい。」

                  母「いいよ。明日、店に持ってこよーね。」

                  ってことになりました。

                  ところが、二日経っても三日経っても、お母さんは本を持ってきません。

                  母「二階の本棚にあるのは確かなのよ。」

                  C「それを持って来ようとするから忘れるのよね。今日帰ったら、まず、二階の本棚から一階の玄関まで下ろす。で、明日は玄関から店に運ぶ。」

                  母「あっはっは!!、それだと忘れないはずね。わかった。」

                  ところが、その翌日も本は本棚に残ったままでした。

                  結局、それを見かねた知念の三女が動いてくれて、私は本を受け取ることができたのです。


                  さて、この本は、農連市場で働くオバぁ10人へのインタビューを掲載したもので、それは、一人一人のオバぁの身の上話です。知念のお母さんも、その10人に含まれていました。

                  農連市場のオバぁ達の多くは独身です。若い頃にご主人を亡くし(または離婚し)、必死に商売を続けることで、子供を育ててきました。

                  人には言えない苦労があったと思います。


                  本を読み終えて、私には、二つの疑問が生まれています。

                  一つは、何故、登場人物が農連市場のオバぁ達なのか。

                  戦前に生まれ、戦争を経験し、激動の時代を生き抜いたのは、農連市場のオバぁ達に限ったことではありません。国内のどこにでも、そんな人はいるでしょう。

                  何故、著者は農連市場のオバぁ達を選んだのでしょう。

                  二つ目は、何故、オバぁ達は、私的な身の上話を語る気持ちになったのか。

                  オバぁ達にとって、筆者は初対面とも言える相手です。しかもナイチャー。そんな相手に、普段は話さないであろうことを、何故語る気持ちになったのか。


                  私に勘違いがあるかもしれませんので、もう一度、本を読み直した後に、私の疑問に自分で答えてみたいと思います。

                  (続く)


                  「農連祭り」はこうなってたみたいです

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                    JUGEMテーマ:地域/ローカル

                    先日投稿した農連祭り

                    開催直前に、こんなことになってたようです。(主催者のブログのコピペです)


                    私の発信から農連市場内が大混乱になってしまいました。
                    皆様誤解を招くことになって本当にすみませんでした。

                    農連市場は8月に取り壊しになるわけではありません。
                    端から少しづつ工事は始まりますが、今すぐなくなるわけではないので
                    皆様ご安心ください。オバァ達もやる気!元気です!

                    今朝RBCアイラジオに出演しました。
                    「いつからこちらで働いているんですか?」
                    はつこさん「二十歳の頃から。もう60年あまりここで働いてるよ~」

                    「市場の楽しいエピーソードとかありますか?」
                    はつこさん『毎日楽しい!!みんなに会えるから。ここの市場は相対売りで、交渉して売って、買って、話して、そんなやりとりおしゃべりがとっても楽しい!!」
                    という言葉がとてもこの市場を象徴してると思いました。

                    「今回お祭りがここで開催されることについてどう思われますか?」
                    はつこさん『どんどんやったらいいさ~。みんなお祭り好きだよ。かつよ先生いた頃はたくさんやってたけどね~。だからお祭りはとっても楽しみ。頑張ってくださいね~」とおっしゃって頂けました。

                    拡散お願いします。

                    農連市場の現状は、市場を運営しつつ 工事に応じて「敷地内」の移転を伴いながらも、変わらず続けていく方針となっておりますので どうぞ皆様、農連市場は変わらず健在し続けますので安心してください。

                    私自身、8月から都市開発に管轄が変わると言ってたのでいよいよ取り壊しが始まるのかと思いそう書いてしまいましたが私のネット発信から息子や孫の世代に。
                    ラジオで『8月から都市開発されるのは農連市場』っという放送から市場内が大混乱になってしまいました。
                    農連市場がなくなるわけじゃない!
                    そんな説明聞いてないぞ!俺たち閉め出されるのか!!

                    現在、市場内もこれからのリニューアル建設についてデリケートな時期でして
                    そこに受験前に『不合格!』って単語見せられたみたいに『おつかれさん!』も『最終フィナーレ』も『新旧バトンタッチ』も不安と怒りを沸騰させてしまったようです。

                    市場長に呼ばれて組合会議所でみなさんのぶつけたい気持ちを聞いてきました。

                    みんな農連市場祭!!って祭りをやることは大賛成なんだ。
                    みんな若い子好きさ~。だけどあちこちから「市場がもうなくなるの?取り壊されるの?それでお祭りするんでしょ?」
                    と聞いて、そんな話聞いてない!!。これでもう なくなるから買いに来なくなったらどうするんだ!!それにもっとこちら側にも宣伝も相談して欲しかった。
                    おれたちは知らなかった。
                    祭りをしてくれることも、あなたの思いも嬉しい!!
                    だから反対してるわけじゃない!
                    でも私たち中にいる人間があまりにも知らなすぎて外からばっかり聞いてる。
                    祭りは反対してるわけではないから。応援するから。
                    中止に出来なくても延期にしてくれ!
                    それはもう出来ません。。。
                    どうしても延期できないなら
                    『訂正文書を出して当日も配って欲しい!!』
                    ネットは早急に対処してくれ!

                    皆が帰ってから市場長と組合長に
                    「ごめんね。近所には回ったけどね~。言い訳になっちゃうけど、私たちが前もって解っていたのに、都市開発のこちら側もゴタゴタしてて、肝心の店子さん達に伝える放送とか遅くなってしまって、その怒りを私たちだけでは収集付かなくて紗鼓さん呼んでしまったけど。
                    前向きに気持ち切り替えて頑張ってね!!応援するから」

                    との事なので、泣きそうになるのをグッとこらえて帰って来ました。

                    皆様どうかこの3行を拡散してください。

                    農連市場は8月に取り壊しになるわけではありません。
                    端から少しづつ工事は始まりますが、今すぐなくなるわけではないので、運営しつつ 工事に応じて「敷地内」の移転を伴いながらも、変わらず続けていく方針ですので皆様ご安心ください。オバァ達もやる気!元気です!1〜2年後が?新しい建物にリニューアルし新しい農連市場として存続いたします。

                    雨女紗鼓はいつも台風を呼んでしまいますが、
                    今回は台風は反らせてもらえましたが
                    また違う台風を呼んでしまいました。

                    メディアやネットの力は凄い。
                    でも捉えられ方もたくさんあるので良いことをやっていても、
                    悪いように捉えられてしまう事もたくさんあるんだなと。
                    言葉選びは大事で、たくさんの人に相談確認しながら進めないといけないんだ。
                    という事を教えてもらいました。

                    教えてくれる優しい周りの方々や市場長と組合長さんに本当に感謝です。

                    いよいよ明日から設営に入ります。
                    素晴らしいイベントになるように
                    その結果を出して信用回復したいと想います。

                    どうか怒りや不安が治り、これをキッカケに新たなやる気、活気、笑顔が溢れる農連市場に今もこれからもなりますように。。


                    この方、まだ分かってないようですね。

                    自戒を込めて言いますと、これがナイチャーなんです。

                    すみません。


                    馬鹿野郎ですみません

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                      JUGEMテーマ:地域/ローカル


                      仕事が終わって、りうぼう古波蔵店に寄りました。

                      バイクのシートの中に買い物袋があるので、シートをあけようとしますが、これがあきません。鍵が馬鹿になったようです。

                      「あきませんのは、あきまへん(笑)。」


                      シートの中には、買い物袋の他に、着替えのシャツと知念精肉店でもらったお茶缶、それからiPhoneの充電コードが。

                      「充電でけへんやないの。」

                      これはえらいことになったと、SoftBankのショップに急行しました。(農連のバイク屋に引き返しましたが、そこは省略)




                      C「充電コードをちょうだいね。」

                      ソ「ありがとうございます。1720円です。」

                      C「ポイントが貯まってるはずだから、それで買えるかな。」

                      ソ「交換できません。」

                      C「へっ?、そらまた何で?」

                      ソ「ポイントの交換商品になってませんから。」

                      C「それが何でかって言うとるんや。」

                      ソ「さぁ〜。」

                      C「ふざけんなよ。あっ、そうか。Appleの純正品は駄目なんや。」

                      ソ「あっ、そうでした。」

                      C「そうでしたって(笑)。じゃあ、1720円ね。」

                      ソ「ありがとうございます。」

                      C「ありゃ、コンセントに差し込むUSBのクチがないやないの。あれはAppleじゃないから、ポイントが使えるな。」

                      ソ「当店では扱ってないんです。」

                      C「はぁ?。じゃあ、ポイントで買える商品は何なん?」

                      ソ「無いんです。」

                      C「馬鹿野郎!!(笑)」

                      ソ「すみません。ほんと、馬鹿野郎なんです。」

                      C「では、お聞きしますが、私は何を楽しみにポイントを貯めているんですか。」

                      ソ「交換できる商品は、本当に無いんです。」

                      C「それは貴方が知らないだけで『調べてみたら、こんなにありました。(^-^)/』って言うんじゃないの?」

                      ソ「無いんです。」

                      C「お前、ふざけんなよ。無いわけないやろっ!!」

                      ソ「あっ!!」

                      C「(笑)」

                      ソ「機種変更の時に割引になります。」

                      C「じゃああれか?。ポイントが何点になりましたって表示されるのは、そろそろ機種変しなさいねって意味か?」

                      ソ「すみません。」

                      C「おい。」

                      ソ「はい。」

                      C「ちょっと、携帯見せろ。」

                      ソ「なっ、なんですか、いきなり。」

                      C「ええから見せろ。」

                      ソ「いっ、いやです。」

                      C「お前、auやろ。」

                      ソ「なっ、何を言ってるんですか。」

                      C「俺はな、Jフォンの時からのユーザーなんや。ざっと20年。ところがSoftBankって会社はな、20年の客やろうが、1ヶ月の客やろうが、まったく一緒なんや。」

                      ソ「僕の先輩も、みんなそう言ってます。」

                      C「だからauにしたんやな。」

                      ソ「はい。あっ、いいえ、違います。」

                      C「馬鹿野郎って言っとけ。」

                      ソ「だっ、誰にですか。」

                      C「ソン君やっ!!。」

                      ソ「わかりました。伝えておきます(笑)。」

                      C「じゃあな。」

                      ソ「ありがとうございました。」
                       


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                      念願の沖縄生活を始めて14年になりました。
                      沖縄の生活、文化、風土、音楽、政治などの話題を投稿しています。 (y_mizoguchi@yahoo.ne.jp)
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