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昨年10月。プロ棋士の渡辺竜王と挑戦者の三浦九段は竜王のタイトルを賭けた対局を行う予定でした。ところが渡辺竜王は将棋連盟に対して三浦九段にカンニングの疑いがあると告発したのです。
渡辺竜王(32:左)と三浦九段(43:右)。
そして、将棋連盟は渡辺竜王の告発を認め、三浦九段に対して年内対局禁止の処分を下しました。三浦九段は竜王戦への挑戦権を剥奪され、年内の対局はすべて不戦敗となりました。
カンニングとは、三浦九段が対局中にスマホで将棋ソフトを使ったというもの。今や、将棋ソフトはプロ棋士よりも強くなってしまったので、カンニングができてしまうのです。
将棋ソフトがプロ棋士より強くなってしまったのは、例えれば、マラソンを人間より早く走れるロボットが現れたようなもの。そのことでマラソンランナー(プロ棋士)の価値が下がることはありません。
私達はマラソンランナーがスタートするまでのストーリーや、苦しみながらもゴールするまでのプロセスに感動するのです。ロボットが人間より早くゴールしたからと言って、それはマラソンとは言えません。ロボットはゴールしても喜びませんし、それを見た私達が感動することもありません。
しかし、プロ棋士より強い将棋ソフトが現れたのですから、将棋連盟は対局前に棋士のボディチェックを行うなど、カンニング対策を施す必要がありました。もしくは、プロ棋士がカンニングなどしないと確信するならば、渡辺竜王の告発を直ちに却下すべきでした。
将棋連盟のどっちつかずの姿勢が、今回の騒動を引き起こしてしまったということ。「将棋ソフトがプロ棋士に勝つのは永遠に無理」、もしくは「少なくとも自分が生きてる間は無理」と思っていた人達ですから、備えがまったくできてなかったのですね。
(続く)