浜比嘉島の散歩(3) シルミチュー

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    アマミチューの墓にお参りして、次にシルミチューへ向かいました。

    比嘉は静かな集落です。高い石垣、フクギ、赤瓦。沖縄の集落の特徴を備えています。



    車の交通量が少ないスージは未舗装で、砕いた珊瑚が撒かれているのも、たいへん結構です。




    シルミチューはアマミチューの夫だそうで、二人が生活した洞窟を夫の名で呼ぶようです。

    シルミチューに続く道を歩くと、



    その先に鳥居があり、長い石段が続いていました。



    賽銭箱とか鳥居とか、最近になってヤマトの神社の要素を取り入れたようですが、比嘉集落に是非そうしたい(かつ、発言力のある)人がいたんでしょうね。私はそのヤマト化が好きではありません。


    石段を登りきると、そこに洞窟がありました。



    アマミチューが実在したのかとか、本当にこの洞窟に住んでいたのかとか、そんな議論に意味は無いでしょう。

    そんなヒマがあるのなら、かつて浜比嘉島に移り住んだ人達が、どこから、どんな理由で島に来たのか、これまでどんな暮らしをしてきたのかを学びたいものです。

    その過程で、アマミチューが島に住んだことを信じる理由が見えてくるのかもしれません。


    貴方が観光客であっても、琉球の創造神がここで生活していたと思えるのなら、自己紹介をしても良いし、今日、ここを訪れた理由を伝えても良いでしょう。

    そうすれば、貴方の沖縄旅行がより良いものになるよう、取り計らってもらえるかもしれません。

    (続く)


    儀保交差点から太平橋(4) 西森御嶽

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      ここは西森御嶽の入口です。



      拝所入口の石碑がありますが、上半分が飛んでます。おそらく「西森御嶽拝所入口」と記されていたんでしょう。

      石畳道が、



      森の中に続きます。



      石段の上に最初の拝所がありました。



      森の中には多くの拝所があり、それを石畳道が繋いでいます。ちょっとした森の中の散歩道ですが、御嶽で散歩ってどうなんでしょ。ねぇ(笑)



      広場に出て、



      その奥に、大きな拝所。




      首里の古地図を見ましょう。



      右端の道はシムミチ。儀保ビラや御待所に向かいます。現在の儀保交番のあたりから西に道が分岐して、西森御嶽に入ります。

      西森の中に円形の施設が記されていますので、そこを拡大しましょう。



      これは1657年に造られた西森拝殿(ニシムイフェーデン)です。さすがは儀保大阿母志良礼が直轄する御嶽ですね。

      円形の石積みと内側の空間への入口。首里城の首里森御嶽に似ています。



      もっとも、西森拝殿は沖縄戦で消失しています。

      地図と照合すると、先ほどの広場と奥の拝所のあたりが拝殿跡のような気がしますが、よくわかりません。


      さて、御嶽の散歩が続きます。



      西森御嶽は、その眺望の良さから首里八景の一つとされています。

      こちらは、末吉の森。右手の山頂に末吉宮が見えます。



      末吉公園の滝見橋はホタルの名所として有名ですが、あの滝の上あたりに、私は立っているようです。

      もう一ヶ所。



      抜群の眺望でした。

      左端に新都心のツインタワーが見えますね。慶良間も良く見えました。

      この眺望は西森御嶽の石畳道を最後まで歩くと得られます。と言ってもすぐです。

      「この投稿を見て、石畳道を最後まで歩いたが、木立が邪魔をして、ど〜も写真のようには見えないな。」

      と思った方。そんな時は一歩前に出る心がけが大切です。

      一歩前に出るとどうなるか。それは現地で確かめて下さい。むやみに真似をしないようにお願いします。


      儀保交差点を北に入り、儀保交番を左折すると公園の駐車場があります。

      西森御嶽の入口のすぐそばで、県道を渡った所が儀保ビラ。太平橋の遺構も歩いてすぐです。

      (終わり)


      儀保交差点から太平橋(3) 儀保大阿母志良礼

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        儀保(ジーブ)ビラから県道を挟んだ向こう側に見えた森は西森(ニシムイ)。



        首里から見て、北(ニシ)の森の意味ですが、西森と漢字を当てられています。本来は北森と書くべきですが、それではキタモリと呼ばれてしまいます。

        名を取れば北森で、実を取れば西森。悩ましいところです。西原町も同じ悩みを抱えてますが、いまさら北原町にはできませんよねぇ。


        琉球王国の神女組織は聞得大君を頂点に、三人の大阿母志良礼(オオアムシラレ)が国を三分割し、それぞれの地域のノロを統治していました。

        その一人が儀保大阿母志良礼(他に、首里、真壁)。西森は儀保大阿母志良礼が直轄した御嶽でした。


        儀保大阿母志良礼が住む儀保殿内は、現在の首里汀良町にありました。聞得大君御殿(現在の首里中学)のすぐ近くです。

        儀保殿内を訪問するノロは、儀保御待所に入り、訪問許可が下りるまで待機しました。つまり、儀保御待所は「儀保殿内ヌ御待所」だったのです。


        御待所は赤田にもありました。管轄していたのは首里大阿母志良礼。したがって、赤田御待所は「首里殿内ヌ御待所」になります。そして、首里殿内はミーミンメーの赤田首里殿内です。

        話がわからなくなった方は、あきらめて下さい。これ以上、丁寧に説明できません(笑)

        (続く)


        南城市佐敷津波古の喜屋武久殿(2) 紫微鑾駕

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          喜屋武久殿の棟木に、こんなものが打ち付けられていました。



          「天官賜福 紫微鑾駕(てんかんしふく しびらんか)」とあります。

          シビランカは護符です。家屋を災難から守ります。

          沖縄の古民家には、たいてい付けられているようですが、人様のお宅で屋根裏を見せろと言うわけにもいかず、実物を目にしたのは初めてです。


          それにしても、沖縄の悪霊(ヤナカジ・シタナカジ)対策は厳重です。

          集落入口にフーチゲーシと村獅子。集落内には石敢當。敷地の入口にはヒンプン、屋根の上にはシーサー。家屋に貼るフーフダ。家屋の入口にはアジケー(シャコ貝)やスイジ貝。

          直ちに思いつくだけで、こんなに。まるで、悪霊の島に人が暮らしているかのようです。


          「天官賜福紫微鑾駕」を訳すと、「天の統治者から福を賜り、北極星の神が駕籠に乗って来る」。

          北極星は人の運命を見届ける天の統治者だそうです。


          随分前にヤナカジ・シタナカジに関する投稿をした際、勝連の”☆しいたけ’’さんからいただいたコメントがこちら。

          全身にブツブツができた時に、「やなかじあたたんやー」と言われてトイレに連れていかれ、しまじょーりでパチパチ全身叩かれました(笑)

          どうもこれ以来、私は悪霊をナメているフシがあり、困ったものです。


          憧憬の今帰仁か

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            沖縄本島南部の東海岸に点在する聖地を巡拝する東御廻り(あがりうまーい)

            その東御廻りに並ぶ巡拝行事が、今帰仁で行われているそうです。その名が「今帰仁上り(なきじんぬぶい)」。今帰仁にルーツを持つ門中が、一族を集めて巡拝します。


            本島南部に住む人なら、今帰仁まで片道約80キロ。交通手段が無い時代なら2日はかかります。往復するだけで4日。

            それをお供え物やら何やらを抱えて歩くのですから、一週間はかかったでしょう。そのため、巡拝を行うのは2年に一度。巡拝の無い年は、自分が住んでいる集落から、北に向かって拝んだそうです。


            ここは、八重瀬町富盛の「赤毛之拝所」。今帰仁への遥拝所です。



            遥拝所の背後は視界が開け、遥拝所が北東を向いていることがわかります。



            今帰仁とは縁もゆかりも無い私ですが、この風景を見て「あの山の向こうに今帰仁がある」と思えば、憧憬に似た気持ちになるから不思議です。

            それにしても80キロ。それを歩くのですから、ウチナーンチュの先祖崇拝の気持ちは並大抵ではありません。


            なお、最近は一族でバスを貸切り、日帰りで「今帰仁上り」を済ませるそうで、「それはちょっと簡単過ぎませんか?」って気もします。


            沖縄のおびんずるさん

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              お釈迦様のお弟子さんの一人がビンドラ・バラダージャ(賓度羅跋囉惰闍)で、略して賓頭盧(びんづる)。

              大阪では、神も仏もさん付けするので、えべっさん、ビリケンさん、おびんずるさん。

              びんずるは撫で仏。撫で撫ですることで、ご利益があります。




              それが沖縄では訛って「ビジュル」。仏像ではなく霊石を撫で撫でします。

              こちらは先日散歩した武富集落のビジュル神。



              祠の中に楕円形の石がありますね。これがビジュル(霊石)です。

              豊作、豊漁などと共に、こ授けの祈願を行います。


              え〜っと。

              以上!!(笑)


              神様が通る道(4) 二本目のカミミチ

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                ナカミチの途中から東へ入る筋が、二本目のカミミチです。



                武富集落の御嶽や井戸には、その名前を記した標識が立てられていて、たいへんありがたいのですが、カミミチにはありませんでした。

                また、カミミチに悪霊が入り込まないように、辻の角などに石が置かれることがあると聞いてましたが、そうしたものもありません。


                カミミチを進むと緩やかに右に曲がり、やがて、村屋跡(現在の武富公民館)に出ます。




                村屋跡の裏手(南側)に御嶽がありました。前ヌ御嶽(三十三御嶽結びの御嶽)。



                武富ノロの管轄下にある御嶽が33ヶ所あるってことでしょうか。御嶽の格としては、かなり上位に見えます。


                村屋跡から、カミミチを挟んだ向かい(北側)には、小さな森があります。見るからに武富集落の一等地。聖なる森であることがわかります。

                そこにある御嶽が、国柱(クニジク:島尻柱)。



                以前、末吉の森には地球の軸があると聞いて驚きましたが、こちらは、少し控えめに島尻の軸。

                おそらく、武富集落では、この御嶽が最上位。先ほどの御嶽は、この御嶽に対して「前ヌ御嶽」なのでしょう。


                さて、村屋跡からカミミチは一旦、二手に分かれます。

                一方は、小さな森の中を抜ける道。そのまま直進すると、呑殿内と殿に至ります。




                もう一方は、小さな森を迂回する道。



                そこには井戸があります。東(アガリ)ンカー。



                井戸の奥には二つの祠があり、その名前に驚きました。

                左手が受水(ウキンジュ)で、



                右手が走水(ハインジュ)。



                受水・走水と言えば、百名にある湧き水の名前で、沖縄の稲作発祥の地としてあまりにも有名です。

                固有の名前と思っていましたが、他の井戸でも使えるんですね。知りませんでした。

                受水は穏やかな流れ、走水は急な流れの意味を持つと聞いたことがありますが、そのように対になった湧き水を、どこでも受水・走水と呼んで良いものなのか、そこは私にはわかりません。


                小さな森を迂回するカミミチは、東ンカーの前を通り、小さな森を抜ける道に合流します。

                (続く)


                神様が通る道(3) 武富集落の見所

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                  武富集落には、集落内を抜けて殿(トゥン)につながる、二本目のカミミチがあります。

                  カニマン御嶽から、集落の真ん中を南北に通るナカミチ。



                  このナカミチの途中から、カミミチが始まります。

                  その場所がここ。



                  左(北)から右(南)に抜けるナカミチの途中。この辻から東に向かう筋がカミミチです。

                  屋号からの印象ですが、ナカミチから東に本家が、西に分家が多いようです。最初の武富集落はナカミチから東にあったのかもしれません。

                  だとすれば、この場所がかつての集落入口ですから、カミミチが始まるのは自然です。


                  カミミチに入る前に、ナカミチを南端まで抜けてみましょう。武富集落の南側は急斜面。てことは、眺めが良いのです。

                  東シナ海から、



                  与座岳、八重瀬岳まで見渡せました。



                  私が立っている場所は、ちょっとした展望台です。ここには武富集落の広場があります。かつてのンマイー(馬場)です。




                  次に、集落の西側に回ってみます。

                  下り坂の先に、何かありますね。



                  道路の真ん中にあったのはヒンプン岩(シー)です。



                  首里大中町にも、道路の真ん中にこんな岩があったようですが、今は取り除かれています。少々不便でも、ヒンプン岩と名付けて、岩を残した武富集落は素晴らしいです。

                  年に一度くらい、集落の外から来た車が、岩に衝突してるかもしれませんね。ご愁傷様ですが、それがヒンプンですから、あきらめていただくしかありません(笑)。

                  (続く)


                  神様が通る道(2) 一本目のカミミチ

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                    さて、集落の北側。武富グスクの端に、



                    カニマン御嶽があります。



                    そこから、武富グスクに沿って小径が続いています。



                    この小径が、武富集落のカミミチ。神様がお通りになる道です。




                    カミミチの先には、呑殿内(ヌゥンドゥンチ)がありました。ノロ(神人)の家です。



                    呑殿内の裏手。武富グスクの中にある火ヌ神(ヒヌカン)と、



                    殿(トゥン)。



                    殿は地域によっては神アシャギとも呼ばれています。

                    沖縄の古民家で見られる「離れ」をアシャギと呼びます。お客様をお招きする部屋です。

                    つまり、殿や神アシャギは、神様をお招きする場所(祠の前の空間)。神事の際は、ノロがカミミチを通り、神様を殿にお連れします。

                    (続く)


                    神様が通る道(1) シマクサラシ

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                      ここ2、3日天気が悪く、昨夜も雨。やっと晴れた日曜日の朝。

                      優先順位としては午前中が洗濯。3時半から興南高校を見なあかんっちゅうことで、外出できる時間はお昼からの3時間です。

                      さて、何処へ行くか。

                      近場の候補地から、糸満市武富へ向かいました。



                      武富集落は糸満市の北端にあり、国場からわずか5.5キロ。バイクで10分です。


                      武富は結構広い字ですが、旧集落はそのほんの一部です。



                      集落北東の森は武富グスク、北西の建物はイオン武富、南は急斜面。集落の周辺は土地区画整理事業で開発が進んでいますが、集落内は大丈夫そうです。

                      集落に入る道は東西と北に一本ずつ。その他に、北東から武富グスクを越える道が一本あります。

                      それぞれの道が集落に入る場所で、シマクサラシが行われます。(写真はグスク越えの道)



                      シマクサラシとは、一種のフーチゲーシ。

                      他サイトからお借りした、糸満市潮平集落の写真ですが、

                      牛肉の骨片を切り刻み、



                      紐で結び、



                      所定の場所に吊します。



                      集落と他界の境界を明らかにし、悪霊を集落に入れないようにします。

                      (続く)



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